ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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阿子洞(第二阿子隧道)

阿子洞(第二阿子隧道)の取扱説明書

大分県宇佐市と熊本県熊本市を結ぶローカル国道387号線(R387)の院内と玖珠のほぼ中間地点に二本連続で存在する短隧道のひとつ。第二阿子洞隧道 昭和26年竣工 延長81m 幅員3.4m 高さ4.0mの隧道で、連続する第一隧道と供に旧道上に取り残され今も口を開けている。第二隧道の片面に扁額が残されていた事から第一隧道の正体が判明するも、第一隧道とは違い第二隧道には目に見える形での大きな特徴があり、追加調査が必要な重要物件である可能性が高い。

 

阿子洞(第二阿子隧道)

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第一阿子隧道から100mも経ずして出現する第二阿子隧道。地図上にも2本連続で記載されているので別段驚くに値しないが、想像以上の至近距離で向かい合う双子隧道。

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第一隧道とは目と鼻の先に位置するも、高低差とカーブをひとつ経る事で、互いの坑門から相手の顔は見えない。坑門を抜けた瞬間に下り坂となる国道とは思えない線形。待避所もない。

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坑門は完全なるコンクリート仕様で、断面は斜めにカットされている。装飾類の一切が省かれた非常にシンプルな造り。近隣にほとんど人家は見当たらないが、歩行者注意の文字が躍る。

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ここまでつまらん物件とばかり思い少々侮っていたが、内部へ潜り込むとそこには意外な遺物が待ち構えていた。天井のアーチ部を除く内壁が石組みになっているではないか。これはもしかしてもしかするぞなもし?

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坑門は相変わらずののっぺらぼうで、扁額を含む一切の装飾が省かれている。第二隧道は距離が長いせいか照明設備が存在するも現在は稼動していない。近くに小中学校があり子供達の通学路であったのだろう。

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第一と異なり第二隧道は現代の技術をもってしても切り通しとはゆかない山塊に突かれている。坑門を抜け出ると幅員が広がり、第二隧道には片側のみにしか離合ポイントが存在しない。

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第一第二供に竣工が昭和26年となっているが、旧旧道に該当する道が見当たらない事、内壁の一部に石組みが見られる事を考えると、現在の姿は改修された二代目であり、大分という土地柄から初代は明治大正期の古隧道である可能性が高い。阿子洞という名称がその仮説を強く後押しし、再調査の必要がありそうだ。

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