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www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜ツーリングマップルで訪ねる万の峠と億の道〜

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トップ>酷道データバンク>甲信越>長野>南峠/旧長野県道442号諏訪箕輪線の実走調査レポート

南峠()

★★★

南峠1-2

◆南峠1−1:

南アルプスを直越する北沢峠を一般開放してくれたならば、信州行がどんなに楽になる事だろう。そう考えて早10年以上の月日が流れた。

時には黒河内林道を使い、時には町道高嶺線を利用し、急を要する場合は杖突峠を越える。そんな迂回路軍団の中で一際地味な印象ながらも、その役割を果たす県道がある。

南峠1-2

◆南峠1−2:

県道442号諏訪箕輪線、僕がこの道をよく利用していた頃はこの道が県道だろうが、林道だろうがそんなこたぁ知ったこっちゃない。ガタガタ道であれば何でも良かったのだ。

現地に到着すると、全く記憶のない分岐からその県道は始まる。何度思い返そうが、その分岐点における遠い過去に刷り込まれた記憶との照合はエラーに終った。

南峠1-3

◆南峠1−3:

大幅な線形の改良か?否、当時の焦点がガタガタ道一点にあったため、舗装路の、それもどこにでもあるような田舎の風景を鮮明に焼付けはしなかったのだ。

数年の時を隔てて訪れたこの路線に懐かしさなどは微塵もなく、それはまるで初めて通る道の如く目に映るもの全てが新鮮であった。

第一集落を過ぎるとしばらくは人家が途絶え寂すぃ区間が続く。それに輪をかけるように道路際に現れる廃屋。片手に収まる程の軒数である失われしその村から二度と笑い声を聞く事はないのだろう。

南峠1-4

◆南峠1−4:

人の手を離れた休耕田は、荒れ果てたというより自然に還る一歩手前と言った方が正しい有様で、人は完全にこの地を捨て去ったのかと思いきや、その先には豊かに水を湛え生きている田んぼが幾重も連なる桃源郷のような里山がそこにあった。

それにより物悲しさは一気に吹き飛び、意気消沈していたこの路線が再び活気を帯びてきた。

南峠1-5

◆南峠1−5:

しかし相変わらずこの路線にはヘキサのひとつも無く、県道を指し示すポールのひとつも路上には存在しない。そんな中、続け様に2台の車が前方からやってきた。

唯の一度も車両とすれ違う事なくここまで来たので、心安らぐ田園風景という揺り篭の中から一気に現実に引き戻された感じがした。

ハッとして我に返るも、このヘアピンカーブを下り降りてきた2台の車に従い僕は何も考えずに県道を正確にトレースした。

南峠1-6

◆南峠1−6:

しかしそれが大きな間違いであった事に峠に達するまで全く気付く事は無かった。

確か過去の記憶では峠はダートだったはず。舗装されたのか?それに峠に至るにはいくら何でも早過ぎやしないか?

ヘアピンの分岐だ!

間違いない。あたかも本線のように見えるヘアピンだが、実は支線のように延びる道こそが県道ではないのか。

南峠1-7

◆南峠1−7:

再びヘアピンコーナーまで戻ってきたのはいいが、県道を表すものは何一つ存在せず、正直確信は全く持てなかった。それに幅員も気持ち狭まるのだ。

これが本当に県道なのか?しかし天高く伸びる1本の巨樹の出現に、確定の赤ランプが灯ると共に小さくガッツポーズを決める僕がいた。

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