ドライブ&ツーリングのネタ帳

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜ツーリングマップルで訪ねる万の峠と億の道〜

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トップ>酷道データバンク>甲信越>新潟>海老牛峠/県道427号五十子平真田線(かいろううしとうげ)の実走調査レポート

海老牛峠()

★★

海老牛峠1-1

◆海老牛峠1−1:薬師トンネルと名ヶ山トンネルの狭間

一時は日本一のブランド米として一世を風靡した魚沼産コシヒカリ。その聖地である魚沼市とは背中合わせの南魚沼市と日本海に面する上越市を、幾つもの山と谷を跨ぎ繋ぎ連絡する国道253号線。

複数箇所に及ぶ大障害の峰は悉くトンネルでパスし、現在では難所のほとんどが克服済みとなっているが、中でもとりわけ印象に残る珍しい区間が、名ヶ山トンネルと薬師トンネルが僅か100mほどの至近距離で対峙する名ヶ山地区で、1000mを優に超す両長大トンネルの接点となる僅かな隙間で、一瞬視界に飛び込んでくる数軒の民家が、とても奇異に映る。

海老牛峠1-2

◆海老牛峠1−2:名ヶ山集落内を抜ける

名ヶ山の住人は何故このような僻地に身を寄せたのだろうか?との疑問が沸々と湧いてくる。長大トンネルと小集落に接点は全く無いように思われ、当然ながら両者に親和性は認められない。ただ歴史を紐解けば追随したのはトンネルの方であり、後者の出現によって牧歌的な山村風景の調和が取り乱された事は間違いない。それまでは山肌を丁寧に縫いながら、のらりくらりと進むこの山道がメインロードであったと考えられる。

長大トンネルの出現によってすっかり異端集落のように映る名ヶ山地区、県道427号線の旅はそこから始まる。

海老牛峠1-3

◆海老牛峠1−3:県道528号線との分岐点

県道の交通量は皆無に等しいが、沿道には幟を立てた食堂や民宿らしき宿も見られ、ちょっとした賑わいをみせる。だがそれもトンネルの周辺に限定された束の間の出来事で、同じ信濃川沿いでも国道とは別の地点に着地する県道528号真田高島線との分岐付近では、人の気配はほとんど掻き消され、静寂に支配された心寂しい状況へと一変する。

それに拍車を掛けるのが意味深な看板で、この地点で早くも不穏な空気が漂う。遠目から見ても赤字でなぞられる部分が、こちらが期待しない知らせである事は明白で、遠路はるばるやってきたのであるから、出来れば通行止による制止は勘弁願いたい。意を決して看板に近付くと・・・

海老牛峠1-4

◆海老牛峠1−4:通行不能を告知する看板

自動車通行止

この先海老から赤倉まで

自動車の通行はできません

見ました、奥さん?自動車通行止ですって!車両通行止ではなく自動車限定ですよ。御丁寧に「自動車の通行は」なんて書いてあるところを見ると、単車ならOKってか?

海老牛峠1-5

◆海老牛峠1−5: デリネータが設置される左が本線

それにしても怖過ぎる。何せ看板では海老と赤倉の集落間が点線表記となっているのだ。ツーリングマップル上では大型車の通行不能を示すマークがはっきりと記されてはいるものの、県道427号線は全線二重線で描かれ、一般車両は楽勝で通過できるかのように映る。ある一点を除いては。

僕がここへ来たのには訳がある。ツーリングマップル上に描かれる不可思議な記述を解き明かすべく、はるばるこの地へやってきたのだ。繰り返すがマップル上の県道は二重線で表記されている。従って常識的には普通乗用車が至極当然に行き来できるはずなのだ。だがそこには不吉な文字が躍る。

海老牛峠1-6

◆海老牛峠1−6:ガードレールの無い断崖の狭路

通行不能

二重線表記の県道で通行不能ってどういう事?しかも驚いた事にマップル上ではどの車種が通行不能なのかは一切明示されていないのである。二輪の通行を意識して作成されているツーリングマップルで通行不能という事は、単車を含めたありとあらゆる車両が全て通り抜け不可という風にも読み取れる。だとすればこの県道は何故に全線二重線表記なのだろうか?

海老牛峠1-7

◆海老牛峠1−7:離合不能の狭路が山肌の中腹を縫う

その謎を解き明かすべく僕は現地へ急行した。核心部に到達する遥か以前の県道同士の分岐点で、自動車のみ不可と解釈できるアナウンスによって、とりあえず溜飲を下げた。

起点からヘキサのひとつも見られない県道であるが、水先案内人となる路肩のデリネーターが、僅かにこの山岳路が県道である事を指し示す。山肌の中腹を引っ掻き傷のようにして並行移動する県道は、落ちたら即死確定の深い谷間を縫い、ガードレールのひとつも無い継ぎ接ぎだらけの路面と、路肩の補修箇所が随所に見られる断崖の狭路をトラバースする。

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