ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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姫侍峠(姫川林道)(5)

★★★

 

姫侍峠(姫川林道)の取扱説明書

幾多の旅人がこの林道に挑み、そして散っていった事だろう。この道で悪戦苦闘し、悶絶の末引き返しを余儀なくされ、僅かに与えられた束の間の休日を奪われただけでなく、心身共にボロボロにされた挙句、出発前北海道を有意義に周回すべく綿密に立てられた計画も、ことごとく変更を迫られ、キャンセル=キャンセル料発生プラス代替宿は全て満室という至れり尽くせりのシステムで貴重なひと夏が奪われた人は僕が知るだけでもかなりの人数に上る。なしてそこまでして姫川林道へ人は挑むのか?その魅力に迫る。

 

姫侍峠(姫川林道)5

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再び割れていたはずの藪が閉じ始め、何とか人一人が藪に埋もれる事なく前進可能な頼りない道筋が続いていた。この状態も以前と然程変わりなく、激藪になっていないという事は年間にして数十人、いやそれ以上の通行者がいるのかも知れない。勿論タイヤ痕は全く見当たらないので、入山する者は山菜採りや、野鳥や野草類などの自然観察などが主目的であろう。

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姫川林道という道路の走破を目的とし、それをやっつけてやろうなどという変わり者は年間数人もいやしないだろう。そのような輩がもし一定数いるならば、タイヤ痕のひとつも刻まれていていい。しかしそこには無数に刻まれているタイヤ痕どころか、人間のものと思わしき足跡さえ見付けられやしないのだ。このトラバース区間で決定的な崩壊が発生しており、いくら路面状況が好転しようとも、前方から四輪が現れるなどと言う事が幻想でしかない事が確定した。

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姫侍峠からは随分と下ってきてしまい、峠から歩いて様子を見に来る者も、流石に往復の事を考えると、この地点までは入り辛い。だから足跡のひとつもないのは当然と言えば当然。それにこの先は徒歩での踏破もウンザリするほどの素敵な廃キング区間となってしまうのよ。

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ほら見て素敵でしょ?単独で突っ込むのは、いくら慣れているとは言え、この状況に冷静でいられる訳がない。少なからず精神的ストレスが発生し、それを何とか安定させようと、安心材料を探し求めてしまうのは今も昔も変わらない。例えばそれがカーブミラーであったりコンクリの法面であったり何でもよいのだが、その年代が現代に近ければ近いほど良い。

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助け舟など来るはずも無い事を重々承知の上で、まだ微かに人の温もりが感じられるような心の拠り所は、何にも変え難い安心感をもたらす。しかしそんなものは一切ないばかりか、視界前方は完全に藪の海と化した。悪路程度で四輪でも通行可能だなんて思っておられる父兄殿、はっきり言って溺れますよ。激藪というよりは大海原ですから。もし大海の途中で大切な商売道具である地図を落としてきたとしても、決して拾いになんて戻りませんから。

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ただ町まで抜けた暁には交番に遺失物届けはちゃんと出しますよ、姫川林道でね。もはや足元は全く見えない、このような場所は大変危険で、巨大な倒木が横たわっていたり、あるべき路面がごっそり消失していて、その上を草木が覆っているだけとか、全く予断を許さない状況が続く。事実既に5回も転倒しているのだ。

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特に斜めに配置された倒木は前輪を持っていかれ易く、後はよろしくお願いしま〜す!承りました!ってな感じで、トラップに引っ掛かると全自動で崖下へGOなんて事も珍しくはない。でもって藪が消え失せたかと思うと縦横1mはごっそり抉られていたりと悪戦苦闘はまだまだ続く。

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