ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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厚雲峠(5)

★★★

 

厚雲峠の取扱説明書

渡島と檜山を結ぶ峠として僕は初戦に姫侍峠をチョイスした。そこは幾度となく対戦し、酸いも甘いも熟知した峠であり、何等かの不可抗力や自らのミスで撃沈しない限り勝って当たり前の、云わば格下相手の前哨戦と言える。ところが今度の相手は全くの未知数で、事前情報も得てなければ、突っ込むのも初めて。ましてや現役時代さえ通った事のない、全てが初物尽くし。そんな初めてのお使いシリーズに相応しい厚雲峠の現状にORRのメスが入る。

 

厚雲峠5

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

チクショーなんていやらしいシャッターなんだ。思わせぶりもいいところだ。やらしてくれそうで絶対やらしてくれない。俺はアテ馬か?何度も引いては押してをトライしてみたが、これが全くビクともしないのだ。最後には単車を横倒しにして当て嵌めてみたが、どうにもうまく入ってゆかない。体力的にも時間的にも物件的に見ても、突破に拘る必要もないと判断し突破は断念した。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

という事で再びあの激薮を戻る嵌めになった。突破云々よりもまた戻るのが面倒であり、逆側も往復せねばならぬ事を考えると実にアホらしい。しかも隧道の先に見た光景はどう見ても廃道そのものであり、それが嫌さ加減を1.5割増しにした。どんな状況かを一度知ってしまうと安心度が増し、戻りは下りという事も手伝って、ほとんど重力任せの強引な突破にて時間的にもかなり早く現道に復帰した。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

そりゃそうだ、行きは何せ初物尽くし、緊張感とちょっとした遺構も逃してなるものかとシャッターを切りまくっているのだ。当然時間もかかろうというものだ。ところがどうだ、帰りは一変してヤッホーロードと化しているのではないか。顔面にビシバシぶち当たる木の枝も、もはや心地良いシャワーのようで、この業界にも顔面シャワーというワードが存在する事を、身を持って知った。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ただしここでもヘルメット着用の有無は大きな意味を持つ事が分かる。目だ、バーイセコや徒歩での調査だと目がやられる可能性がある。形状記憶合金じゃないけど、路面に張り出した枝は常にその状態を保とうとする。折ってしまえばそれまでだが、単に避けようと思えばそこに力が加わり、当然枝は元の場所に戻ろうとする為、引っ張った力から開放されれば、たちまち裏拳の如し戻ってくるのだ。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

これで何度もやられた事がある。特に注意しなければならないのは複数での探索だ。前を行く人が後を追う人の事を考えずに歩いていると、両者が接近している場合、後ろの人が前を行く人が発生させた引力によって、無駄に裏拳を喰らう可能性が多分にある。それにより小さないさかいが起きるとも限らない。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

考えてもみてくれ、もし後を追う者が安岡力也氏だったとしたら、それにあなたが無意識に引っ張った枝木が元の位置に戻ろうとし、力也氏の頬にビシっとヒットしたとしたら。強敵はどこに潜むやも知れぬヒグマではなく、後ろからものっ凄い形相で追い掛けてくるグリズリーなのだ。水野晴男氏がその光景を見たら「いや〜廃道って本当に怖いものですね♪」と、スマイリーにかつ優しく語り掛けるだろう。

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

そんな恐ろしい廃道へ事実上二往復もせねばならぬ厚雲峠。山蕗トンネルを抜けると、その先もずっと快適な2車線路が続いていた。その下り途中に旧道への強引とも思える取り付けが用意されており、僕は迷わずそこへ飛び込んだ。

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