ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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坂下峠(神大滝林道)(4)

★★★★★

 

坂下峠(神大滝林道)の取扱説明書

中京圏と関西圏の間に、どうしても越さねばならぬ難所がある。ある国道は隧道にて、またある道は鞍を直に跨ぎ、その難所を越して行く。国道から林道に至るまで様々な道が、二つの大都市圏を分断するその山脈に付けられた。東海道の難所として知られる鈴鹿峠を筆頭に、酷道の代名詞とも言える石博峠など話題に事欠かないこの山脈に、史上稀に見る極悪路線が付けられている。その路線名称を神大滝林道という。ここにORRのルーツがある。今明かされるへなり誕生夜話、今宵その全てを話そう。

 

坂下峠(神大滝林道)4-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

足場板の次に待ち構えていたのは、酷量のハンデを背負った者にとって気分の滅入る激坂が待っている。この日のロリエワンはかなりの絶不調にあった。スロットルを開けてもふけが悪く、プラグかキャブかは分からないが、とにかく低速域での反応はいまいちだったのだ。それでいて坂下峠に挑もうとする根性が素晴らしい。みんなも反面教師として是非見習って欲しい。総重量

坂下峠(神大滝林道)4-2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

150kg超のロリエワンは、今にも止まりそうな勢いで、何とか第二障害をクリアした。しかしその次には間髪入れずに第三障害が待ち受けている。高低差50cm超の段差を跳ね上げねばならない。ロリエワンでは下手するとひっくり返る恐れがある。実は内心おいしいショットが撮れるのではないかと期待していたのだが、ロリエワンはそこさえも1発でクリアしていった。路面状態を

坂下峠(神大滝林道)4-3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

見て欲しいのだが、幅員は完全に1車線を割っていて、進行方向に向かって左側にはコンクリ製の防護壁が築かれている。それももうすぐにでも埋まってしまいそうなほど頼りないものなのだが、かつてこの道が車道として正常に機能していた証である。しかし今となっては単なる邪魔な障害物に過ぎない。薮側に進路を採る事も考えたが、ロリエワンの状態が状態なだけに、長く

坂下峠(神大滝林道)4-4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ダラダラと続く上りとそこに有り余るほど堆積した大小様々な石が障害となって、スピードが極度に殺される恐れがあった。簡単なセクションでもリトライを繰り返せば当然体力の消耗を招き、生還の二文字は遠退いてゆく。この時ばかりは確実に攻略可能な道筋を、慎重に選んで行く必要性があった。この日のロリエワンは朝刊を前後にしこたま積んで販売店を出発したばかりの

坂下峠(神大滝林道)4-5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

新聞屋さんのカブで挑んだに等しい状態で、それはもうここに至るまで何度もズルズルと後退しては再スタートをしての繰り返しであった。だからこうして今峠の手前まで無事に到達できた事が奇跡に近かったのである。正直途中で何度も引き返そうかと思った。何故ならこの峠道のレベルがどれほどのものであるかは経験済みであるからだ。今のロリエワンでは余りにも無謀過ぎる。

坂下峠(神大滝林道)4-6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

エンジン絶不調に150kg超の酷量しかも初コース。ここは走り慣れた地元の裏山でもなければ、コースを熟知し通い慣れた廃道でもない。ましてやこの峠道は僕が10年以上に渡って封印してきた魔の道である。嗚呼それなのにこの人ったら一度逝くと言い出したら絶対に引かないんですもの。それに毎度のミスだが、突っ込んだ時間も夕方で、時間的余裕の無さによって、只でさえ

坂下峠(神大滝林道)4-7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

緊迫感に包まれているのに、更にそれが拍車をかけた。峠まで持って行ければあとは重力任せにどうにでもなろう。今にも止まりそうなロリエワンだが足をバタつかせ大地を蹴って僅かな推進力さえ逃さない涙ぐましい努力は、目の前に開かれた巨大なV字にて間もなく実を結ぶ事となる。

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