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古坂峠(8) ★★★ |
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古坂峠の取扱説明書 2006年の幕開けと共に古坂峠に関する情報が日増しに届くようになり、報告書のノルマ達成に向けてクラッシュ寸前にあった僕の周囲はざわついていた。何やら関西勢の猛者が総力結集しての一大イベントだそうで、ある人はそれを古坂フェステバルと呼んだ。やがて僕の手が及ばない遠い彼の地で祭りは盛大に催され、気が付けば事態は収束、まるで一過性のブーム宜しく沈静化した古坂峠に人影は無かった。この峠でいったい何があったのか?僕はどうしてもここで起こった事の全てをこの目で確かめずにはいられず、遅ればせながら未踏の地へ初出陣と相成った。そこで目にしたのは偉大なる先人達の汗の結晶であった。この報告書は古坂峠の再開通に関わった全ての方へ感謝を込めてお贈りするレポートである。
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道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書 どうやら古坂峠の本番が始まったようだ。横たわる二本の倒木が天国と地獄を隔てる門の役割を果たし、お約束通りこれ以降の路面状況は激変する。一面が苔生しながらも走行に支障のない旧道状態とは違い、この先は猛烈な藪に支配され、一瞬たりとも予断を許さぬ際どい状況が予想される。ここより分け入る歩の重さは、明らかに違った。いくら先人の轍という水先案内人の |
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空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書 ガイドがあろうとも、油断は禁物だ。昨日通行可能であったものが、今日は跡形も無くなっている、それが道路であり、廃道なのだ。先人達が突破に成功したからと言って、この日この時間に全く同じ芸当が出来るという保証はどこにも無い。そこはいつだって筋書きの無いドラマが待ち構えているのだ。崩れてきた土砂はさも当然のように路面を斜めへと改変していた。右に目をやれば |
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お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書 密度の濃い藪が猛威を振るい、枯れ草とは言えその抵抗力の凄まじさは容易に想像が付き、僕は迷わず斜面に乗り上げるようにして進路を確保した。そこは頭大の落石が平然と転がる悪路であったが、本来車道であった部分のほとんどが猛烈なブッシュに支配され、身動きが取れなくなるのは必須。そこを無邪気に突き進むほど僕は逝かれてない。激藪のビシバシステムに少しは |
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羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書 慣れているものの、複数の選択肢がある場合は当然楽な道を選ぶ。それが近所の裏山とか日帰り圏内ならまだしも、遠く離れたアウェイでの生命を脅かすような得体の知れぬ極悪道路とあらば尚更だ。激藪の海は時折鳴りを潜めるも、そこには必ずと言っていいほど代替の仕掛がちゃんと用意されている。左右から延びた枝に弦が絡み合い、天然の屋根を形成しているのだ。当然その |
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www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 真下を潜る訳だが、これがまた往々にして中途半端な高さに位置し、簡単に通してはくれない。弦がクラッチペダルに絡まれば勝手にシフトチェンジし、ブレーキペダルに絡まれば自動停止となり、首に絡まればあわや落馬という酷い目に遭うのだ。次々に現れる障害物を乗り越えれば、そこには広大なスペースが。激藪に視界が遮られ、いまいち状況が飲み込めないが、どうやら下り |
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ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書 始めてから最初のヘアピンカーブを迎えたようだ。ここを刈り払えば大型車同士の離合さえ許す幅広の砂利道が姿を現すはずだ。見上げれば上空にぼんやりと浮かび上がるV字の切れ込み。そのボトムが古坂峠であり、そのまま目線を下げればすっかり茶褐色と化したガードレールが視界に飛び込む。今では見る影も無いが、その昔ここを車両が行き来していた事実を、証明する唯一の |
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おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書 手立てとして、激薮の片隅でその存在を強烈にアピールする錆び付いたガードレール。なんとその先には現道が、すぐそこまで迫っているではないか。もう大丈夫だ。僕だけでなくここに挑戦した誰もが浮き足立つ瞬間。だが古坂峠の真髄がこれより先にある事を、僕はまだ知らない。 古坂峠9へ進む 古坂峠7へ戻る |