ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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古坂峠(10

★★★

 

古坂峠の取扱説明書

2006年の幕開けと共に古坂峠に関する情報が日増しに届くようになり、報告書のノルマ達成に向けてクラッシュ寸前にあった僕の周囲はざわついていた。何やら関西勢の猛者が総力結集しての一大イベントだそうで、ある人はそれを古坂フェステバルと呼んだ。やがて僕の手が及ばない遠い彼の地で祭りは盛大に催され、気が付けば事態は収束、まるで一過性のブーム宜しく沈静化した古坂峠に人影は無かった。この峠でいったい何があったのか?僕はどうしてもここで起こった事の全てをこの目で確かめずにはいられず、遅ればせながら未踏の地へ初出陣と相成った。そこで目にしたのは偉大なる先人達の汗の結晶であった。この報告書は古坂峠の再開通に関わった全ての方へ感謝を込めてお贈りするレポートである。

 

古坂峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

倒木の矛先は旧道の、それもあろう事かこれから向かうべき方角の一点に集中していた。人力では最早手の施しようがないほど折り重なるようにして路上を完全に封鎖した倒木群。微動だにしないその大障害は、路面を大きく改変した。逃げ場を失った雨水は倒木群に導かれ、路面の中央に集約する。それは瞬く間に深く大きく道を抉り、やがてそこに巨大なクレパスが出現する。倒木と

古坂峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

クレパスのツートップは、開拓者の気力を削ぐのに充分な効果があった。しゅ〜りょ〜のホイッスルが鳴るのに、それほど時間は掛からなかっただろう。しかも事態はそれだけに留まらない。集まった雨水は濁流となって路上を滑り降りる。結果あちこちでドロドロヌタヌタのマディ状態となり、足を取られるのは必須。しかも厄介な事に豊富な水量は、植物の成長を促し、背丈以上にもなった

古坂峠

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

シダ植物が、路上を完全に占拠していた。始めこそ隅っこを通る事で、何とか前進が可能であったが、いよいよ密度の濃い植物の壁は、戻れと言わんばかりの勢いであった。通常ならばここで撤収のホイッスルが鳴るはず。だがここにも先人達の偉業が垣間見えた。人為的に単車一台分の幅が、綺麗に刈り払いされていたのだ。それも草刈機のように均一性は無く、純粋な手作業による

古坂峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

アバウトな仕様。もしも旧道を正確にトレースするならば、巨大なヘアピンカーブに弧を描かねばならない。しかしそこにはまるで進むべき方向を見失った獣が、小刻みに右往左往しながら彷徨い歩いたかのような、最短路が築かれていた。植物の大海を割るモーゼの十戒の如し人為的獣道は、まさにド素人集団が若さと勢いだけで切り拓いた事がありありと伝わってくる。先程の斜面より

古坂峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

作業的にはこちらの方が大変かも。兎に角シダ植物の壁は想像以上に分厚く、やはりここも単独での開拓は気の遠くなるような時間が必須で、古坂峠における第二の致命的箇所と言える。その壁を突破した直後だった。久しくまっさらな路面が姿を現し、近づく現道の音と合わせて、突破はもう確実と思えた矢先のサプライズであった。なんとそこには直径が40cmはあろうかという巨木が

古坂峠

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

横たわっており、しかもそれは人為的に切断されていたのである。その断面をよく見てほしい。凹凸の激しさからチェーンソーを使用したワンカットでない事は明らかで、早くて数時間或いは数日掛りで、手ノコのみによって切り落とされたのは間違いないと思われ、関西地区或いは遠方から駆けつけた同志達の人海戦術によって成し得た偉業の重みは、現場に立ち会った者にしか

古坂峠

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

分からない。年輪の数からして恐らく三十年クラスの大木である。しかも二箇所を切断し、単車を通せるようにしたとは恐れ入る。ここも倒木がそのまま放置されていれば、前進は不可能であったと思われ、ショートカットに獣道、それにここを加えて僕は先人達に三度助けられた事になる。

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