ドライブ&ツーリングのネタ帳

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜ツーリングマップルで訪ねる万の峠と億の道〜

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トップ>廃道データバンク>東北>秋田>山谷峠(旧国道398号線)実走調査レポート

山谷峠 (1)

★★★

山谷峠1-1

◆山谷峠1−1:現国道と間接的に繋がる旧道の入口

僕は山谷峠の現役時代を知らない。目の前に立ちはだかる低い稜線は、とっくの昔にトンネルでパスする事が常態化しており、ツーリングで何度か往来した際も、知らず知らずのうちにトンネルを潜り抜けていたのだと、ぼろぼろになった初代ツーリングマップルは訴える。

仮に路線切替前夜の鞍跨ぎの峠道を越えたとしても、地方の三桁国道に存在するヘイヘイボンボンの峠など、いちいち気にしていたらきりがないし、若年性アルツハイマー分を差し引いても、記憶の断片にこびり付かないような峠であれば、右から左へ受け流しているに違いない。

山谷峠1-2

◆山谷峠1−2:追い越し禁止のセンターラインが残る

繰り返すが、これより挑む山谷峠の現役時代を僕は知らない。但し、旧道と化して久しい峠道の顛末がいかようであるのかは、嫌というほど良く知っている。何故ならば海のものとも山のものとも分からぬこの峠に単身で突っ込み、峠で鼠返しを喰らい、おめおめと撤退したという経緯があるからだ。

山谷の鼠返し

鼠返し、つまりそれは何等かの障害によって通り抜けが叶わず、突破できなかった事を意味する。

山谷峠1-3

◆山谷峠1−3:二車線幅を維持したまま迎える鞍部

初動時の僕はまだ若かった。今なら入念な下見をするとか、荷物を下ろして突っ込むとか、それなりに慎重な対応を採る。ところが当時のスタイルは今とはまるで違うものであった。いったいどう違うのか?今では有り得ないのだが、若かりし日の僕は、荷物満載のまま躊躇する事なく、所構わず突っ込んでいた。そこにどんな過酷な状況が待ち受けていようとも。

いかなる時でも荷物満載で突っ込むその行動パターンを見た大多数の人間がこう思うに違いない。

馬鹿じゃね?

山谷峠1-4

◆山谷峠1−4:峠の一部は非常にのどか

またこんな事もあった。隧道の扁額を撮影しようにも、当時のデジカメにはズーム機能が無く、僕は仕方なく最大限腕を伸ばして被写体を捉えるという極めて原始的な方法で撮影に挑んでいた。ただ標準が30万画素というデジタル縄文時代において、マイハンドズームの限界を感じていた僕は、次の手に打って出る。

現場で僕が編み出した秘策、それは最大限腕を伸ばしたままジャンプし、瞬間的に被写体に急接近するという原始的に判を押したかのような究極の撮影方法で、当時の僕は至って真面目にその方法を、実戦に取り入れていた。

山谷峠1-5

◆山谷峠1−5:威圧的な車止め

世界広しと言えどリスペクトするのは恐らく十余人程度と思われるハンドズームとジャンプによる超原始的撮影手段を、僕はアウストラロピテクスジャンピングショット(AJS)と命名した。実は低燃費をTNPと表現するのと次元的には何等変わらないのはここだけの秘密である。

同一地点でその方法を5回ほど繰り返し、ちょいブレ程度で扁額の彫刻が読み取れる画像が一枚でも含まれていれば合格という何とも心許無い撮影方法であるが、AJSがORRの一時代を支えた事だけは確かだ。その当時の僕は一眼レフ&三脚でスマートな撮影をしている者に対し、こう叫ばずにはいられなかった。

山谷峠1-6

◆山谷峠1−6:単車は辛うじて擦り抜けられる

チャラいんじゃ、ボケがぁ!

今にして思えば、龍馬伝の岩崎弥太郎ばりの悪態ぶりである。ズーム機能付きの廉価版デジカメさえ手が出なかったORR初期の嘘のような本当の話だ。

あれから数年の時が流れ、デジカメも新調し、三段ボックスを積んだまま、勢いだけで突っ込む事もなくなった。ワンボックスでの挑戦、それは一回り成長した僕の大人になった証。これで駄目なら山谷峠の攻略は逆立ちしても無理だろう。

山谷峠1-7

◆山谷峠1−7:植物に呑み込まれ先細るアスファルト

背水の陣で挑む今回は、単車を引き摺ってでも抜けたる!そんな強い意志を持って、僕は山谷峠の第一障害であるコンクリートブロックの隙間を潜り抜けた。

両脇から路上を占拠せんとする植物の侵攻が著しいが、足元には僅かながらアスファルトが顔を覗かせ、かつてこの峠道が砂利敷きのまま閉ざされた訳ではない事を物語る。尻すぼみとなるアスファルトの先にあの鼠返しが待っているかと思うと弥が上にも緊張感が走るが、今回はいつになく心に余裕があった。一箱だから、ではなく2馬力での推進だからだ。

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