ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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休峠(2)

★★★

 

休峠の前説

人の手を離れ管理されなくなった道路は、通常お荷物扱いとされ、またそこを通る者は変わり者というか、下手すると軽犯罪者として祭り上げられる可能性さえあり、様々な意味においてリスキーロードである廃道。だが時として廃道突破が歓迎される事もあるのだ。珍しい事ではあるが、休峠は我々のような探索者にとって、大手を奮って本領発揮できる数少ない貴重な物件であり、ここへ来たならば周りの目など気にせず、心行くまで薮の大海原を堪能するがいい。

 

休峠2

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

おいちゃん達の興味は、僕がここへ何をしにやってきたのかの一点である。平日の真昼間だ、一般的に考えればこんな山奥の行き止まりである場所に、人なんか来るはずがない。しかし現にこうしてやってきたのだ。それもしこたま荷物を積んだ過積載バイクが、さも当たり前のようにナチュラルにやってきたのだ。怪しがるのも当然である。だが平日に休みを取る職業も決して少なくはないだろう。

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デパートなんかは水曜日休みだし。という事は休みの前日は花の火曜日、つまり花火(はなび)って訳だ。どうだ可哀想だろ。一昔前は土曜日が半ドンという時代であり、まともに休めたのは日曜日のみであった。後に週休二日制が定着した頃、休みの前日である金曜日を花の金曜日、いわゆる花金(はなきん)と呼んだ時代があった。音の響きとして金曜日はバッチグーだ。

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それに引き換え木曜日が休みの人は、手の施しようがない。花の水曜日、略して花水(はなみず)。これはヤバイ、今すぐ転職を考えねばならぬほどの緊急事態ではないか。そんな鼻水(注:故意に変換した訳ではありません)の良く晴れた午前中、突如現れた珍客においちゃん達が興味津々なのも無理はない。僕は正直に話した、ヒルズ族である事を。流石にこんな片田舎のおいちゃん達でさえも、ライブドアという名だけは知っていた。

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凄まじい宣伝効果だ。ライブドアを知っている、だったら話は早い。そのライブドアの本社が六本木ヒルズというビルに入ってましてね、同じビルに入る予定なんですよ。ライブドアさんとはもうすぐビル仲間ってやつですかね。倍率が凄くて数年入居待ちの所をなんとかお願い(静止を求める警備員を振り切って突破)して、優先的に入れるよう調整してもらってるんですよ。

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とりあえず現在は地下の仮設事務所(ダンボール製、無許可設営)なんですがね。間もなく正式に入居となる予定なんですよ、フフフ(事務所(ダンボール製)は破壊され、即日撤去)。ああ、我が社の社名がまだでしたね。()ドコデモドア(()←株式会社ではなく単なる名称)です。調査依頼があれば全国どこでも駆け付けるのでね。社名でもライブさんとはドア仲間ですなフフフ。

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来年にはきますよ〜(遠くを見ながら)今度ここへ来た時にはあのドコデモドアですかって事になっちゃうのですよ。いいんですか、今のうちサイン貰っとかなくて?とサインすべくマジックペンを取り出し、振り向いた先においちゃん達の姿はどこにもなかった。とっくの昔に現場作業に就いていたのである。仕方なくマジックペンをしまうと、僕は一人大人しく薮の中へと身を沈めた。

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作業現場を境にして、路面状況は天と地ほどの違いがあった。激薮に倒木のラッシュが行く手を拒む。但し路面の消失や決壊、土砂や落石で道が埋まるというようなシリアスな場面は皆無であった。またこのようなオアシスもしばしば見られた。

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