ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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雁股峠(2)

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雁股峠の取扱説明書

それでは本日の授業を始めま〜す。みんな教科書6ページを開けて〜。えっ、持ってない?嘘だろ。教科書持ってこんと授業にならんよ。ったく何考えてんの。いい加減にしないとチョーク投げるぞリンコのプー。問題の教科書であるが、そこにはあたかも一般車両が通行可能の如く記載されている。しかも2005年改訂版では恐ろしい程鮮明に描写され、雁股峠を越えようとルートに組み込む輩も現れるだろう。そのままでは死傷者及び遭難者続出につき、危機感を覚えた県警、土木事務所と連携し脳内協議した結果、ORRで真実の姿を世に公表する事と相成った。これで一人でも多くの生命が救われれば幸いである。

 

雁股峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

杉木立の中、県道は更に勾配を増し雁股山の西方目掛けて一目散に駆け上る。何気ない杉の回廊を抜けると視界は一気に開け、雁股山の稜線をついに捉えた。目指すはV字曲線の窪んだ部分、それが雁股峠だ。目の前には1本のポールが直立していた。そこには福岡県と記載されている。そう、間違いなく当路線は福岡県道なのだ。そのポールより先から突如幅員が広がる。

雁股峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

いったい何事か?初めて調査した際、目の前の拡幅舗装に雁股峠は極普通に通行可能な峠であって登坂部分だけが一部狭くなっているものではないかと先走った。しかしその考えはあっけなく打ち砕かれる。そこには大規模に開削された広域基幹林道が横たわっていたのだ。離合不能な完全1車線の県道に対し、いつでもどこでもどなたでも離合可能な余裕の1.5車線幅を

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お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

有する新設舗装林道。それに比べ県道はあまりにもみすぼらしかった。一瞬だけ路面が良くなったのも、実は林道への取り付け部としておこぼれを頂戴したに過ぎないのだ。かつての1本道は林道によって分断され、現在は変則十字路となってしまっている。白線の敷かれた幅広道が林道で、完全1車線の頼りない道が県道の続きである。そこには手入れの行き届かなくなった

雁股峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

小さな茶畑があった。ここまでは常時通っている者がいる。止まれと書かれた停止線さえもない山奥の交差点ではあるが、微かな人の温もりを感じ、安心感さえ覚えた。唯一設置された人工物である九州自然遊歩道の案内に従って、尚も上を目指す有名無実な県道。そう言えば直登する杉木立の中に、道中最大勾配と思しき箇所があるのだがそこは道が二手に分かれ、一方は

雁股峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

ダートの直登路、もう一方が舗装済の迂回路になっている。それはほんの数十mの出来事であり、毎度気にはなっていたが、大きく取り上げるものでもないと思っていた。しかし今回の調査でそこに隠された意図が浮かび上がって来ようなどとは、峠手前の時点では知る由もなかった。林道との交差点を過ぎ、尾根へと一直線に延びる県道は目の前に立ちはだかる雁股山の

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ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

稜線に対して一旦背を向ける。ここでウィークポイントに狙いを定めるべく、体勢を整える県道。大きく決壊した箇所に大規模な補修が施され、車両の通行を確保しているのは認めるが、警戒標識はおろかガードレールのひとつも設置される事はなく、脱輪したら即アウチの危険な情事山本が続き、離合箇所も全く用意されていない当路線の行く末に一抹の不安が過ぎる。

雁股峠

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

行けるのか?いよいよ目の前にターゲットが迫る。稜線はもう手の届く位置にあった。切り通しか隧道か?貧弱な県道に対し似つかわしくないほど大ハードな法面、それこそが神秘のベールに包まれた謎多き北九州最大のスペクタクル雁股峠。その真の姿がいよいよ明らかとなる!

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