ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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野道峠(7)

★★★★

 

野道峠の取扱説明書

日本海と周防灘を縦に結ぶ当路線は、近年全線に渡る改良がほぼ完了し、ネズミ捕りが心配なほどの快走路へと生まれ変わった。かくて越えねばならぬ難所の峠は、全てトンネルで通され、いくつもの旧道が誕生した。中でも特筆に値するのがここ野道峠だ。その下を突いた近代的なトンネルを見る限り、路線変更前は見通しの悪い1車線の単なる山道だろうと思っていた。確かにそれはそうなのだが、野道峠は当路線に残された他の旧道群とは決定的に異なるものを持っていた。まかり間違ってこの世界へと足を踏み入れた者を魅了するものを。

 

野道峠

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

もしかして晩秋や雪解け直後の早春にこの峠を訪れたならば、また違った峠の姿を拝めるのかも知れない。野道峠はORRの定期監視路線ではない為、この日の本格的な取材を含めても僅か3回しか訪れておらず、この峠を語るにはまだまだ修行が足りない青二才だ。それでも極力道路遺構の発見に努めんと血眼になって辺りを見回した。んでもって遂に発見しましたよ奥さん!左をよ〜く

野道峠

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

見てご覧、優香だよ。じゃなくて石垣だ。上下から枝葉に覆い被せられ、その姿のほとんどが隠されて全く目立たないが、ひし形の石が均等に積まれたそれはそれは立派なものである。実は野道峠のぼやけた切り通しよりも、僕の脳裏に焼き付いているのはこの石垣の姿なのだ。だから白看と切り通しという決定的な峠の形状をしているにもかかわらず、僕の中で野道峠とはこの石垣に

野道峠

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

囲まれた部分を指しているのである。そこだけはダブルトラックが浮かび上がり、両側を杉木立に囲まれ今にも馬車が現れそうな雰囲気を醸し出しているのだ。画像にはっきりとその姿を捉える事は出来なかったが、実は両側供に石垣は配されている。そのほぼ中央に現在はあたかも完全1車線のように轍跡を残す路面も、実は整備してやれば普通車同士の離合が可能だったのではないか

野道峠

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

というほどの幅員が確保されているのである。笹藪が覆い被さるその下に、この峠を象徴する年代モノの石垣が眠っている。植生が激しい時期ではその全容が全く掴めず、何とも歯痒い思いをさせられ、ここを訪れ石垣の存在に気付いた誰もが、また晩秋の頃に訪れてみたいと思うに違いない。まさか野道峠に石垣があるなんて思いもせず、初回はおもいっきり素通りしてしまったほど

野道峠

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

その存在は目立たないが、僕の中では野道峠=切り通しでも、野道峠=白看でもない。僕にとって野道峠とは石垣隊のナイナイシックスナインである。白看は確かに国道時代の名残だ。しかしここに眠る石垣はもっと古い時代のものかも知れず、蹄の音さえ記憶している可能性もあるのだ。野道峠は旧国道としても、またそれ以前の古道としても大変興味深く価値ある峠道で、そこにロマンを

野道峠

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

感じずにはいられない。石垣を抜けると廃チックな舞台も遂に幕を閉じる。振り向けば稜線を掘り割る形で道が通されていて、正式な境界は白看のある切り通しなのだろうが、それよりもこの位置から見る掘割と、そこに眠る石垣こそが僕にとっての野道峠なのである。初めてこの峠に挑んだ時に見たまっさらな砂利道に安堵し、その場にへたり込んだのがまるで昨日の事のように思い出す。

野道峠

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

そこは単なる整備された砂利道というだけでなく、作業道との三叉路になっていて、かなり広い敷地が確保されている。この道が現役時代には離合ポイントとしても機能していたはずだ。普段なら旧道の雰囲気をブチ壊す憎き存在の鉄塔も、初通過時はパリの灯に見えたのは言う間でもない。

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