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大峠(5) ★★★★★ |
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大峠の取扱説明書 全国に大峠と名の付く峠は数あれど、最も名の知れた大峠とは福島と山形に跨るこの大峠を指すのだろう。決して派手な訳ではなく、現役時代はかなり地味な存在であったと伝え聞く。僕はこの峠の現役時代を知らない。大峠越えがいかに困難であったのか、旧道となった今では想像するしか手立てはないが、かつてこの道に車両が通っていた時代の再現を試みたい。と、これまでも幾多の勇者達がこの峠に挑み、そして散っていった。他聞に漏れず若かりし日の僕も大惨敗を扮し苦汁を舐めた。だがこのまま黙って引き下がる訳には行かない。狙った獲物は必ず仕留める。だがやってやれない事もある。負け戦と知りつつも男なら逝かねばならぬ散らねばならぬ大峠。道路に人生を捧げた男の生き様を見るがいい。
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 隧道を抜けるとそこからは待ちに待った砂利道が開始される。大峠に残された貴重な区間だ。この砂利道の上を様々な車両が行き交ったのだ。荷車が馬車が人力車がここを駆け抜けて行ったのだ。そして昭和になるとここを路線バスが走ったのだ。この場面だけ見れば広々としたフラットダートにいつ前方から年代モノのバスが砂煙を巻き上げながら向かってきたとしても、それほど |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 違和感は感じられない。むしろ九十九俺で力任せの重ステアリングを捌いていた事の方が信じ難いのだが、その九十九俺を学校の遠足か何かで団体で貸し切られたのだろう、バスが連なって峠を越している姿が大峠の歴史では捉えられている。しかも当たり前だが、当時は砂利道である。良く出来た合成写真、そう思いたいのは山々だが、歴史がそれを許さない。現在ではそのほとんどを |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR アスファルトによって覆われてしまった旧道だが、山形側の短区間に限り、難を逃れ往年の姿を今に留めた。但しその砂利道区間を堪能できる車種は限られる。残念ながら四輪による砂利道走行はほんの数十mしか味わう事はできない。無情にもその先にはどこから持ち込んだのかテトラポッドのようなコンクリの塊により、完全に封鎖されている。これにより四輪では大峠旧道で満足を |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 得る事は出来ない。だからこそ車にMTBを積んで、皆この峠の完全攻略を目指すのだ。但しせっかく峠まで来て、ろくに砂利道を堪能する事もなく、ただ引き返すのはもったいない。大峠隧道を抜けてすぐ右へ上がる砂利道に、コンクリゲートの前からひたすら下り続ける鉱山道路を堪能しない手はない。ORRでもまだ手を付けていない路線で、どこまでも続く砂利道は実に魅力的だ。但し |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 残念な事にコンクリゲートは単車を通してしまう。従って鉱山道路に後ろ髪引かれつつも僕は先を目指さねばならない。ブロックを抜けると面白い事に砂利道は二手に分かれる。左へ緩やかに登る道は法面もしっかりしており路面も穏やかだ。それに引き換え右へ下る道は路面状態も判然とせず、出来るなら左へ進みたい。常人であれば右はヤバイと瞬間的に判断するはずだ。しかし無情にも |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 旧道が右で左はかつての鉱山道路。二股から旧道に入り込んだ先にブロックが配置されているならば、旧道だけが進入禁止という事になるのだが、分岐以前にブロックを配したという事は左へ進む道路も現在は廃道という扱いになる。山頂付近を縦横無尽に走るこれらの道路はいつ頃付けられ、いつ頃まで使われていたものなのだろうか。人工的な物音ひとつ聞こえないこの場所は現在 |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 使用されていない可能性もある。路面状態が旧道よりも格段に良い廃鉱山道路を横目に見ながら、恐る恐る旧道へと進入する。踏み固められたガチガチの路面に草木も根付けないのか、それとも現在でも何者かによって頻繁に踏み込まれるからなのか、路面中央付近だけは地肌を残していた。 大峠6へ進む 大峠4へ戻る |