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大峠(11) ★★★★★ |
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大峠の取扱説明書 全国に大峠と名の付く峠は数あれど、最も名の知れた大峠とは福島と山形に跨るこの大峠を指すのだろう。決して派手な訳ではなく、現役時代はかなり地味な存在であったと伝え聞く。僕はこの峠の現役時代を知らない。大峠越えがいかに困難であったのか、旧道となった今では想像するしか手立てはないが、かつてこの道に車両が通っていた時代の再現を試みたい。と、これまでも幾多の勇者達がこの峠に挑み、そして散っていった。他聞に漏れず若かりし日の僕も大惨敗を扮し苦汁を舐めた。だがこのまま黙って引き下がる訳には行かない。狙った獲物は必ず仕留める。だがやってやれない事もある。負け戦と知りつつも男なら逝かねばならぬ散らねばならぬ大峠。道路に人生を捧げた男の生き様を見るがいい。
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 一か八かで鉄骨の下を潜らせたロリエワンが何とか第二セクションを抜けて再び立ち上がった。それに続いてヘナリワンを入れ込んでみたが、これがなかなかうまく入ってゆかない。道路用ラブローションはどこかにないものかと思うほどヘナリワンは最狭部で全く動かなくなってしまった。こうなったら仕方ない、可哀想だが丁寧に引っ張るのは諦めて後ろから力一杯蹴る事にした。こいつは |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 単なる鉄の塊だし、突破するための道具に過ぎないのだ。そう己に言い聞かせ、蹴り始めると徐々に前へと動き出した。擦り傷などは気にしていられぬ。そんなものは1回でもコケてしまえば後は野となれ山となれだ。もしこの場面まで擦り傷ひとつ無い状態であったならば、恐らく躊躇した事だろう。しかし単車に付いた傷の数だけ様々な強敵と闘ってきた証なのだ。単車にとっての擦り傷 |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR それは即ち勲章に他ならない。毎週のように洗車している人から見れば許し難い行為に見えるかも知れないが、ドライブやツーリングとは別物であるからして、この程度で不快を感じるようなら閲覧しない方がいい。我々は突破という目的の為であれば手段を選ばない。水没しようが崖から投げ落とそうが単車と供に苦楽を供にし、そこにかつて車両が通っていた事を証明するのみだ。それに |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR しても同じ条件でありながら、車種によって突破の向き不向きにこれだけ差が現れるとは驚きであった。元々SLは廃道向きではないと思っていたが、それが見事に証明されてしまった訳だ。どんな場面においても最高の性能を発揮するのが一流の証。その点では明らかに先代のBAJAの方が、車高が高過ぎるというマイナス分を補って余りある廃道走破性を有しているのは間違いない。 |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 第二セクションを抜けると路面は再び穏やかな表情を取り戻した。一番大きなポイントは赤い鉄骨が完全に姿を消した事だ。法面はコンクリのしっかりした物へと変化した事で、崩壊している箇所は全く見られなくなった。木々の隙間から見下ろせば、これから向かうべく旧道の法面は大規模なコンクリによる補強が成されており、それは我々に大きな安心感を与えた。考えてみればいくら |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 雪崩や土砂崩れが発生し難い頂上付近であったとしても、鉄骨を組んで金網をセットしただけの防護柵はいかがなものかと。大峠に残された道路遺構としてはかなり古い物であり、それなりに価値は認めるが、それが大峠を通行不能にさせた原因となっているのは誠に遺憾である。鉄骨が放置されているばかりに、大峠愛好家がチャリダーに限定されるのは実にもったいない話だ。 |
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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR もったいないと言えば、なんと悲しい事に大峠旧道に残されたダート区間は余りにも短く呆れてしまうほどであった。突然再開したアスファルトはどう見ても古いものではない。百歩譲っても現役時代のものではない。旧道化した後下界から延伸してきたのだろうか。しかし何故ここで止まったのか? 大峠12へ進む 大峠10へ戻る |