ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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大峠(12)

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大峠の取扱説明書

全国に大峠と名の付く峠は数あれど、最も名の知れた大峠とは福島と山形に跨るこの大峠を指すのだろう。決して派手な訳ではなく、現役時代はかなり地味な存在であったと伝え聞く。僕はこの峠の現役時代を知らない。大峠越えがいかに困難であったのか、旧道となった今では想像するしか手立てはないが、かつてこの道に車両が通っていた時代の再現を試みたい。と、これまでも幾多の勇者達がこの峠に挑み、そして散っていった。他聞に漏れず若かりし日の僕も大惨敗を扮し苦汁を舐めた。だがこのまま黙って引き下がる訳には行かない。狙った獲物は必ず仕留める。だがやってやれない事もある。負け戦と知りつつも男なら逝かねばならぬ散らねばならぬ大峠。道路に人生を捧げた男の生き様を見るがいい。

 

大峠(国道121号線)12-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

下界から延伸してきた舗装工事は何故かこの地点でピタリと止まっていた。その途切れ方は余りにも唐突という他無かった。今日行われている林道の舗装工事を見ていても、全線に渡って一気に工事が行われる事は稀だ。一定の区間に区切って工事を行い、終了すれば一時的に道路を開放し、時を隔てて再び次の工区へ着手という具合に災害復旧工事のように緊急性を伴わない場合は

大峠(国道121号線)12-2/ORR

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結構な歳月を掛けて舗装工事は行われる。もっとも路盤からの抜本的な拡幅工事でなく、簡易舗装の場合はあっと言う間に舗装されてしまう訳だが、どうやら大峠はまともな工事を施されたようである。舗装路は砂利道区間と違って充分余裕のある幅員を確保しており、それなりに安定している。沢水で路面が常に塗れている為だろうか、アスファルトはもとより路側帯のテカリ具合が、つい

大峠(国道121号線)12-3/ORR

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数年前に塗られたのではないかと思える程比較的最近のもののように見えた。それにしても峠まであと少しという地点で何故舗装工事は中止されたのだろうか。工区で言えば恐らく峠まで最後の一区を残すのみという距離である。現場を見る限り福島側と繋げる気など、最初から無かったのではないかと思ってしまうのは我々だけではないだろう。放置された鉄骨もそれを裏付けている。

大峠(国道121号線)12-4/ORR

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舗装化工事がセオリー通り下界から順次着手されてきたと仮定するならば、アスファルトと砂利道との境目が、旧道内において後に発生する一部の大規模な崩壊を修復する工事以外では、最も新しく手が加えられたものである事は間違いないだろう。峠まであと少しという所まで舗装工事に入ってきていたという事は、当然の事ながらそれより下の道路状況は何の障害も無く工事車両を

大峠(国道121号線)12-5/ORR

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通さねば話は成立し得ない。そうなると舗装工事と供に法面などの工事も同時に行いながら山頂を目指していたと考えるのが自然だ。勿論崩れた土砂を退かしながらという手法も有り得なくはないが、常識的な施工であればまずは法面からなのである。舗装工事は本来施さなくても良いものであるから、道路工事において一番最後となる。つまり山形側にアスファルトを敷いている時点で

大峠(国道121号線)12-6/ORR

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旧道は完全に生きていたし、舗装工事が峠手前まで限りなく接近してきた段階において、大峠旧道は最も安全な通行を約束されていたはずなのだ。ところがどうだ、今やアスファルトの上には土砂が好き勝手に散らばり、頭大の石が無造作に転がっているではないか。その姿は廃道以外の何者でもない。単車なら何とか避けきれるそれらの障害も、四輪ではひとつひとつ丁寧に退かして

大峠(国道121号線)12-7/ORR

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いたら確実に日が暮れるであろう、凄まじい数の障害物が路面上を覆っているのだ。いったい何の為の舗装化だったのか呆れてしまうほどの光景が目の前で展開された。またやっちまったのか?現状のままでは無駄な公共工事と言われても仕方ない状況にある。今なら何とかなるのだが。

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