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鵬雲洞(1

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鵬雲洞1-1byORR

◆鵬雲洞1−1:和歌山市内外れの何気ない公園

太陽が照り付ける昼下がり、どこもかしこも温度計は25度を振り切っており、この日は完全な夏日となっていた。

調査に明け暮れ汗だくとなっている僕に、容赦なく紫外線は降り注ぐ。普段以上に体力は消耗させられ、メットの中は頼んでもないのに勝手に汁だくとなっていた。

だみだこりゃ!

まだ紀伊半島の門を叩いてもいないのに、早くも玄関口で僕はギブ寸前であった。

日陰はないのかー日陰はー!

鵬雲洞1-2byORR

◆鵬雲洞1−2:住宅地を左右に分断する縦長の公園

木陰を求め住宅街を彷徨っていると、丁度良いタイミングで住宅街を貫通する縦長の公園が見つかった。冷たいお茶で喉を潤し、日陰のベンチで小休止する。

紀伊半島を周回する国道42号線は旧廃隧道のメッカとして知られ、既に幾つかの物件は当サイトでも紹介済みであるが、調査はまだまだ始まったばかりと言っていい。

この半島には掘り起こされていない未知なる物件がまだ多数眠っている。当物件は国道42号線の中でも全くと言っていいほど知られていない手付かずの遺構で、この時点で僕はまだその存在に気付いていない。

鵬雲洞1-3byORR

◆鵬雲洞1−3:国道42号線の毛見隧道と同じ稜線に穴

和歌山市内を起点とする国道42号線には、毛見トンネルという同じ稜線上に穿たれた並列する二つのトンネルがある。

大型車が並走可能な二車線のトンネルが上下一本ずつ用意され、二本のトンネルは計四車線にて市内の半端ない交通量を捌くも、それでも尚足りないように思えてならない。

白昼において凄まじい交通量なんであるから朝夕のラッシュ時は想像するだけで空恐ろしい。そんな国道のトンネルとは少し距離を隔てたこの公園の先に何やら妙な物が・・・

なんだあれ?・・・うわっ!

鵬雲洞1-4byORR

◆鵬雲洞1−4:公園と一体化する謎の歩道トンネル

トンネルやんけー!

休憩ついでに昼食も兼ね公園のベンチでおにぎりをパクつく僕の背後を、先程から自転車が激しく往来し、ここが単なる公園ではなく、どこかに通ずる通路を兼ねている、或いは通路が公園として整備されたものではないかという事には薄々気付いていた。んがしかし公園の先にトンネルがあるとは夢にも思わなんだ。

しかも何だかこのトンネル怪しくないかい?装飾もやけに凝ってるし、基調がレンガっぽい茶色だし。もすかしてこれ・・・

鵬雲洞1-5byORR

◆鵬雲洞1−5:凝った装飾を持つ歩行者専用トンネル

うわっ、レンガ隧道だ!

昼飯をのんびり食ってるばやいではない。食べかけのおにぎりはそのままに、僕はすぐさま臨戦態勢に入った。あれは本当のレンガなのだろうか?僕は初動時にレプリカを疑った。

自転車もそうだが、この公園は徒歩通行も結構な数で、合わせるとこのトンネル&公園の利用者はかなりの人数に上る。実は国道トンネルにも歩道がきちんと完備されている。だがそちらの利用は極めて少なく、ここの住民はもっぱらこのトンネルを利用しているようなのだ。そこで僕は後付けの歩道専用トンネルを疑った。

鵬雲洞1-6byORR

◆鵬雲洞1−6:明治期のレンガ隧道を彷彿とされる坑門

まずはポータルから眺めてみよう。表層は全面に渡り細かいレンガに覆われている。頭頂部は草木に遮られやや不明瞭だが、薄っすらと笠石のようなものが確認できる。

続く下段に配された帯石との間には、重厚感のある扁額が埋め込まれ、装飾を強く意識したのかアーチ環には先端の尖った石を配し、非凡さをアピールしている。アクセントとなる迫石にも外枠を設けるという職人の拘りが垣間見られる。

やっぱさ、これどう見ても

本物のレンガ隧道じゃね?

鵬雲洞1-7byORR

◆鵬雲洞1−7:扁額に踊る鵬雲洞の文字

だがどうしてもコンクリートの内壁とレンガの坑門とのギャップが激し過ぎて、そこがどうにも腑に落ちない。

内径が馬蹄型でない事から、鉄道関連の隧道ではないと思われ、幅員が現代の大型車一台を楽々通してしまう規格である事から、毛見隧道の先代としては十分成立する体を成す。

また扁額の 鵬雲洞 は、「毛見」とは似ても似つかぬ名称だが、“隧道”ではなく“洞”という点は最古参を想像させる。

やっぱこれって初代毛見隧道?!

鵬雲洞(2)へ続く

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