ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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栃窪隧道

 

栃窪隧道の取扱説明書

県道493号線との分岐点から旧国道19号線の鳥居隧道との間に栃窪という名称の短い隧道が存在する。市販の地図にもその存在は記されており、どんな姿をしているのかとても楽しみにしていたのだが、そこにあったのはなんてこたーないコンクリのふっつーの隧道であった。栃窪隧道には扁額こそあれど銘板は無かったが、その先の栃窪橋には銘板が埋め込まれ、そこには昭和三十年とあった。つまり栃窪隧道、栃窪橋、鳥居隧道は全て同時期のものであるのだが、鉄パイプを渡された古いタイプの橋梁である栃窪橋と石組みの鳥居隧道に対し、何故栃窪隧道だけが全面コンクリで構成されているのだろうか?

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

竣工から30年が経過し、少々お疲れ気味の鳥居トンネルは、ヤッシーが打ち出し現在着工中の木曽川右岸道路と供に、新トンネル構想が持ち上がっても良さそうなものであるが、そんな声は全く聞こえて来る事なく、今後も現役続行となるが、もし鳥居トンネルで重大事故や落盤などが発生した場合、この大動脈は完全にストップとなる。なんとこの国道には代替ルートが存在しないのだ。

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まさかと思うのも無理はないが、これは事実である。中央高速が完成した現在は少々大袈裟かも知れないが、この主要国道をカバーする道は実質的に存在しない。そうなった場合の経済的損失は計り知れない。大動脈の寸断、すなわちそれは人間に例えれば、生死を彷徨うほどの重症である。そんな爆弾を抱えたまま今日まで平然と鳥居トンネル1本で供用されてきた事は、ある意味

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奇跡に等しい。実は正確を期せば代替ルートは存在する。それはダートの旧旧国道峰越えルートである。だがしかし現代交通事情を考えれば、それは余りにも現実離れしている。奈良井、薮原の両宿場間を、たった10分で通り抜けるのが、当たり前と思っている現代人に、迂回路有りと表示して砂利道の峰越えルートを案内したとして、いったい何台の車両がチャレンジするだろうか?それも

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たった1車線しかない道の両側から、多種多様な車両が昼夜を問わず突っ込んで来るのである。もし谷底に転落して落命しても、ニュースではハンドル操作を誤って転落と処理されるが、実は素人が楽に越えられるような峠道ではない事など、一切触れられる事はないのだ。従って峰越えルートは代替ルートには成り得ない。では次に考え得るルートはどこだろう?それはこの先にある

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鳥居隧道しか考えられない。ただし片側坑門を見る限りコンクリによる完全封鎖が成されている。その分厚い壁を破壊してまで代替ルートとして復活させる可能性はあるのだろうか?残念ながら可能性は限りなくゼロに近い。尋常ではない強固な壁に閉じられたのには恐らく訳がある。鳥居隧道は坑門だけ見れば確かに狭い。大型車同士の内部離合が叶わない狭さだ。何故日本が高度経済

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成長を遂げている真っ只中において、大動脈の長大隧道が大型車同士の離合に未対応の状態で、着工にゴーサインが出たのか不思議でならない。ここに謎を解く鍵がある。答えを先に言ってしまえば当時の建設省は明らかにミスっていた。この道が近い将来どれほどの交通量を誇るのかの予測が甘かったのだ。その兆候は鳥居隧道が開通して間もなく現れ、鳥居峠に風穴が開けられた僅か

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数年後には新トンネルの計画が持ち上がっている事から明らかで、建設省としてはさっさと新トンネルを造り、鳥居隧道の件は無かった事にしたいという思惑が見え隠れしているのである。従って今更鳥居隧道内部を公開する事など出来ない。何故ならインチキ2車線がバレてしまうからだ。

鳥居隧道2進む

鳥居峠2戻る

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