ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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笹子隧道

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笹子隧道の取扱説明書

甲州街道最大の難所笹子峠に突かれた笹子隧道はとてもモダンなポータルで、何もない山中に突如神殿が出現したのかと思うほど初回の衝撃力は凄まじい。山梨全域の調査が終わった訳ではないので確信は持てないが、恐らく県下でも一二を争う優良物件に違いない。全国区でも上位ランクは必須のお宝隧道で、トンネルとしてだけでなく土木構造物全般を通しても優れた物件である。道路遺構が数多く現存する旧道と合わせてドライブがてら、充分に旧道を経由する価値がある事は間違いない。いよいよ山梨の真打登場である。

 

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ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

道中一度はターゲットを捉えるも、なかなか近寄らせてはくれなかった甲州街道の最難所笹子峠がいよいよ手の届く位置に至った。思えばここまでの道程は単車でも長く感じられ、バーイセコなら言わずもがな。それは長さ約3kmもある現道の長大隧道と比較してしまうからかもしれない。現道の笹子トンネル(正確には笹子隧道)は有料トンネルとして昭和33年に開通し、それまで

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利用されてきた峠の隧道(延長240m)と比べても、また大型車同士の離合をも可能とする事など、同じ峠を突く隧道にしてその歴然たる差に人々は新時代の幕開けを感じたに違いない。まさに甲斐の夜明けと呼ぶに相応しく、それにより首都圏への大幅な時短が図られる事になる。ただですね、僕もバーイセコ(MTB)で笹子トンネル潜った経験があるんですが、あそこはヤバイっす。

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タイミング誤ると大渋滞を引き起こします。背後から爆音と共に迫り来る大型車に殺意を感じ、あっと言う間に追いつかれピタっと背後に付けられるや否や、エアブレーキでプシュッバシュッ!プシュッバシュッ!(翻訳しますとウザイ邪魔だ退け)と、やられれば精神的に追い込まれた挙句、情緒不安定となって追い詰められた暁には、だいたい加山雄三氏の君といつまでもを口ずさんで

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冷静を保とうとします。特に「幸せだなあ、僕は君といる時が一番幸せなんだ、僕は死ぬまで君を離さないぞ、いいだろう?」は自分の世界をその場で構築し、危険なオーラを発生させ、それを見た背後の運ちゃんは一瞬怯むので、有効な防衛手段となります。笹子トンネル通過の際は、是非ご検討下さるようヨロスクお願い致します。そんな危険な譲二山本とは裏腹に閑静な峠直下に

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突かれた旧笹子隧道は明治40年竣工で、現在我々が見ている坑門は昭和の大改修後のものであり、初期の頃とはその姿を大きく変えている。いったいどのような坑門だったのか大変興味深く、今となっては知る由もないが、現在見られる昭和初期の坑門は現在巷で持てはやされている昭和レトロを感じさせるどこか懐かしい雰囲気を持っている。レンガや石組みほど遠くなく、

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照明や非常電話といった近代的な設備を持つほど近くないという微妙なさじ加減が、笹子隧道の魅力なのだろう。見るからにシャレっ気たっぷりのモダンな構造物と、導かれる苔むした石垣とのギャップの激しさや、突如山中に現れる神殿風の隧道というインパクトは強烈極まりなく、場違いな異物として強く脳裏に焼き付く。しかし逆説的に考えれば、それはデザイナーの目論見に

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まんまと嵌っているとは言えまいか。反対側坑門はのっぺりとしたコンクリの至ってシンプルな造りだ。リングアーチを含め、笠石を除く全てが両坑門の共通性を欠いており、これは昭和初期の改修で意識的にデザインを異にしたのか、その後のさらなる改修によるものなのかは謎である。

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