ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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厚内隧道

★★★★

 

厚内隧道の取扱説明書

道路隧道の存在数自体が少ない道内で昭和初期竣工という大変珍しい貴重な隧道でその小ささも本州の隧道を彷彿とさせるもので、北海道らしさは微塵もない。周囲の景観と併せて道南の館の岬隧道に何処となく似ていて現役でありながら癒し系に属する隧道で町道昆布刈石海岸線とのバリューセットでほぼエクスタシー達するのは間違いない。リンク先自己満足北海道で厚内隧道キャンペーンをやっていたはずだが今でもやっているのだろうか?

 

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厚内隧道1

WRC開催に沸く頃、エントリーしていた一台バイクがスタート地点でレースの始まりに備えてスタンバっていた。ダブル登録してどちらのレースに出場するか最後まで迷ったのだが僕はチキチキマシーン猛レースに参加する事にした。じゃなくてここは同じ十勝でも海沿いの道道で、北海道らしい余裕たっぷりの幅員で断崖絶壁に差し掛かる訳だが、

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厚内隧道2

そこには小さな穴が存在する。それが厚内隧道だ。道内の内陸部は本州のように起伏に富んだ地形でない為、道路にトンネルを掘る事例は少ない。ほとんど緩やかに峠越えさせる事が可能だからだ。それとは対照的に海岸沿いの荒々しい岩肌に道を通すのは難儀で積丹半島はトンネル連発で近年半島を周回できる国道がやっと接続できた程で

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厚内隧道3

道内の道路トンネルの大半が海沿いに集中している。厚内隧道も海沿いの隧道なのだがこれは例外中の例外である。というのも納沙布岬からえりも岬へと続く250km超の海沿いの道路で厚内隧道以外にトンネルがひとつも存在しないのだ。本州ならば250kmも走ればトンネル1つどころじゃ済まないだろう。そういう意味では大変貴重な隧道である。

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厚内隧道4

また、扁額をご覧頂きたい。「注意トンネルせまし片側交互通行」となっている。ここは厚内隧道だとばかり思っていたが何とも長ったらしい名称の隧道である事が現地で判明し、しかも竣工が昭和初期とあっては注目に値しない訳がない。注意トンネルせまし片側交互通行隧道坑門前まで立派な2車線でエスコートしておきながら突如本州バリの

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厚内隧道5

クソ狭い隧道の登場に誰もが唖然とするだろう。だって普通虎塗りのバーって上部に設置でしょーが。1車線なのに両サイド虎塗りってとこが北海道らしい。つまりこういう事だ。道産子のDNAには北海道はデッカイドーと刻まれており、狭いとか小さいとかは全て認められないのだ。つまり厚内隧道も狭いはずがない、内部離合できるに決まっている

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厚内隧道6

という訳だ。隧道手前まで幅広の快適な2車線でそのまんまのラインで突っ込むから当然側壁に激突する訳だ。本州の人なら当然の如く狭いと瞬時に判断し隧道中央へ移動し何事もなく通過できる訳だが道産子はそういう訳にはいかんのだ。目視で確認し内部離合が不可能な事は分かっている。意識では恐らく無理ではないのかと思ってはいる。

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厚内隧道7歴史の道踏査報告書

が、しかしDNAレベルでは行けるんちゃうん?そのまんまの車線でいいんちゃうん?と、悪魔のささやきが聞こえてくるのである。厚内隧道のちょっと先でチェッカーフラッグバーを潜りここでレースは終了となる。走ってい〜ればこの世は天国握るハンドル何処へい〜くチキチキマシーン・チキチキマシーン猛レース♪

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