ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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裸隧道

 

裸隧道の取扱説明書

大原湖沿いにある隧道三兄弟の真ん中に位置する裸隧道はとても小さな隧道の割には普通車同士の内部離合が可能な幅員が確保されていて涙ぐましい努力の跡が窺える。当初名称を含む全てのデータが不明であると思われたが山形の廃道の全国隧道リストによって助けられた。

 

裸隧道

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以前から疑問に思っているのだが何故小さな隧道には正式名称が付いていなかったり、扁額が無かったり、竣工年が分からないなどといった物件が多いのだろう。どんな小さな隧道でも工事を行う際には正式名称があって初めて仕事を発注したりできるのであって、私道に身内や仲間だけで掘ったとかいう以外は請負業者から受注金額、工期、竣工年など

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きちんとした形でデータが残っていてもいいようなものだが何故か不明な事が多い。どうせ資料が行方不明になってしまうなら銘板ひとつ埋め込んでおけば基本的には1世紀程度は楽勝で次なる世代へ伝える事が叶姉妹なのだからちゃんとやってもらいたかった。近代トンネルで銘板が埋め込まれていないトンネルなど皆無で、昭和後期以後の隧道及び

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トンネルと呼ばれるようになったもののほとんどに設置されていて、一切の情報が不明などといったお粗末な事態は回避されている。この小さな隧道も山形の廃道のご好意で無償提供されている全国隧道リストが無かったら恐らく正式名称は不明のままであったと思われる。ORRではなるべく資料に頼らない現場主義から主たるものは地図のみで、あとは現地での

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視察及び聞き込みで、竣工年などは取得できればそれに越した事はないが、無ければ別段構わない。何故なら報告書に資料性を持たせていないからだ。どうしても欲しいものはたったひとつ正式名称のみ。それがないと他全部伏せている為、信憑性を保つにはどうしても正式名称だけは必要なのだ。この隧道も現地では全く情報が得られず、仕方なく

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裸隧道を野谷2号洞門、裸堀隧道を野谷1号洞門とする予定であった。幸い最終手段である全国隧道リストにその名が掲載されていたので拝借させて頂いたが、三兄弟のゆずりは隧道だけは当初から名称も把握していたので他2本の隧道名が分かった事で無事にラインナップ出来た訳だ。裸隧道は道路上に張り出した岩を刳り貫いた状態で坑門内壁ともに

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荒削りなままコンクリで覆ってしまったというだけでその他一切の装飾は施されていない。正直ダイナマイトでふっ飛ばした方が何もかも安くつくような気がするのだが、裸隧道のように本来の地形をなるべく残すような配慮が成された物件は意外と少なくない。土地に執着のある日本人の気質がそうさせたのか、原型を留める事に固執しているようにも見えるが、

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地主との絡みもあるのだろう。またこの地が景勝地であったりすると大きな地形の変化を伴う工事は許可が下りないとかいう問題もあるのかも知れない。まあいずれにしてもこの道を拡幅改良していたら一発でこの世から消されていたであろう小さな裸隧道は旧道と化した事でその姿を永遠のものとしたのだから今となっては結果オーライと言える。

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