ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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津奈木隧道

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津奈木隧道の取扱説明書

明治から昭和中期にかけて活躍した津奈木隧道は日本の大動脈である1級国道として長きに渡り活躍したその功績とレンガ隧道という希少性から佐敷隧道と共に国の登録有形文化財に指定されている超大物隧道で、単なるレンガ隧道というだけではなく坑門は門柱、帯、リングアーチが石組みで表層は全てレンガにて覆い尽くされ、均整のとれた立派な門構えにはこの隧道に賭ける当時の意気込みが凝縮され、内部も全面総レンガ巻きで来る自動車時代の到来を見越してか普通車同士の内部離合を可能としている点など外観だけでなく機能面でも優れていた事が分かる国のお墨付きを得た文句なしのお宝隧道である。

 

津奈木隧道

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旧道らしからぬ進入口も津奈木太郎峠に到達してみれば津奈木隧道のお出ましにここがかつての国道である事に反論の余地は無かった。旧道は山肌に沿って蛇行を繰り返しながら徐々に高度を増すも旧タイプとは言え全線に渡り2車線フル規格であり、一般の狭い旧道とは全く印象が異なる訳だが、それ以上に津奈木隧道のインパクトは強烈である。

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大型車と普通車の離合までなら何とかこなしていた旧道であるがやがて目の前に立ちはだかる稜線の直下に開く穴を見て津奈木太郎峠に達した事を知り、ストレートに導かれる直線(長島監督風)からは隧道内も当然同じような幅員であると勘違いしてしまう程遠目に見ても立派な隧道でその門構えは惚れ惚れする造りだ。丁寧に積み上げられた石垣に導かれ

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坑門前にやってくると初めて普通車同士がギリギリガールズである事に気付かされる。それまではあまりに立派な坑門と1桁国道というブランドから大型車でも簡単に突っ込んでいけるのかと思いきや、どうやらそうではなく慎重に対処せねばならなかったようだ。そのような光景は今でも各地の国道でも少なからず見る事が出来る。隧道手前で対向車を待つという事が

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極普通に行われていたのだろう。この長い津奈木隧道から対向車が途切れるまで待つとなるとどれ位待たされたのかは、あみんに聞いてみなければ分からないが、当局では待つわ待つわいつまでも待つわ♪との回答を得ている。当時の交通量がどれほどのものか分からず今では想像も付かないが、少なくとも現在のような激しい交通量ではなかったはずだから

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それなりに対処できていたのかも知れない。内部はご覧頂いて分かるように補修箇所を除いてオールレンガ巻きである。流石天下の1桁国道だ。これだけ長い隧道なのに照明設備が全く無いのは不思議だが格納式ミラーボールでも装備しているのだろうか?そこは天下の1桁国道何があっても驚けない。時の最先端工法を常に投入され続け時代をリードしてきた主要国道の

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隧道に来る70年代空前のディスコブームを予兆し一定間隔で格納式ミラーボールが埋め込まれている可能性は否定できない。恐らく土曜限定でサタデーナイトフィーバーと称し坑門には黒服の呼び込みまで立つ予定であった。まあ結果的はブームが来る前に1962年津奈木トンネルが完成して役目を松任する事なく終った訳で現在では真っ暗な内部をチャリや徒歩で

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抜けるにはかなりの勇気を必要とし、文化財保護の観点から自信のない方はパンパースの装着が義務付けられている。津奈木太郎峠旧道本線は隧道を抜けて左へと曲がるが現在は直進の林道が本線のように見えるのが紛らわしい。竣工から100年以上が経過した今も尚健在の津奈木隧道にはこの先もずっと現役として活躍し続ける事を心から願わずにはいられない。

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