ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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加茂隧道(2)

★★★

 

加茂隧道の取扱説明書

遂に教科書から加茂隧道が消えた。いや、正確に申せば国道である証の赤線から市町村道を指し示す白線へと変更され、それは国道という重要なポストに就き、長きに渡り活躍してきた由緒ある峠道に、印籠が渡された事を意味する。2005年度版の地図では新旧供にかろうじて赤く塗られてはいたが、事実上その時点で加茂隧道は旧道を飛び越えて廃道という扱いを余儀なくされた。何故か?それは産卵を終えた鮭が力尽きるが如し、新道を産み落としたと同時に加茂隧道の封鎖措置は予め決まっていたからだ。官が一度下した事項を覆すのは容易でない。2006年度版では加茂隧道とそこに至る加茂坂の線形こそなぞられど、それは最早国道のそれではないばかりか、つい最近まで当たり前のように通り抜けられた隧道を貫通する事すら叶わぬ夢となった。が、今ならまだ間に合うかも知れない。どうにか滑り込めるかも知れない。僅かな望みを託し僕は取る物も取りあえず、ヘナリワンに跨り鞭を一発入れた。走れエロス!

 

加茂隧道

道路遺構の調査発掘専門サイト:ORRの道路調査報告書

そいつは人間じゃなかった。人の姿をした猫だ、化け猫だ。しかしどこかで見覚えのある顔だ。それが初代加茂隧道の竣工時に両坑口それぞれに魔除けとして設置された龍と虎の飾石、工夫のRealFaceがその虎である事はKAT-TUNも認めざるを得ない。その顔はfuku氏のレポートを始めて目にした時、本当に虎か?ナンチャンこと南原清隆氏じゃねーのか?とツッコミを入れざるを

加茂隧道

空前のスケールで贈る道路大全:ORRの道路調査報告書

得ない程ナンチャンにクリソツの面持ちは強烈で、いまだに脳裏に焼き付いて離れず、夢に現れた工夫が今となっては虎だったのか猫だったのかナンチャンだったのか判然としないが、とにかくその工夫は人力で黙々と地面を掘り下げた。やがて埋没していた迫石が足元に顔を覗かせ、続いてアーチ環の上部が徐々にその姿をあらわにした。人力で人一人が潜り込める隙間を確保した工夫。

加茂隧道

お探しの道路がきっと見つかる:ORRの道路調査報告書

中を覗けば外の明かりが僅かに漏れ届き、一度は闇に葬り去られた坑内をぼんやりとではあるが、外部の明かりは確実にその姿を浮かび上がらせた。加茂隧道が失われた光を再び取り戻した瞬間であった。よっしゃ!ここまで掘り下げてくれたナンチャンにお礼を言おうとすると、既に彼の姿はそこに無かった。再び風穴が開けられた坑内からは風がヒューヒューと音を立て、その冷気が頬を

加茂隧道

羅針盤、それは地図とカーナビとORRの道路調査報告書

突き刺しその感触は妙にリアルであった。虫の知らせか?それからいったいどれほどの時間が流れただろうか?とは言っても目覚めてから丸一日も経たずして、僕は正真正銘の加茂隧道坑門前に立っていた。車の流れは明らかに新道へと移行している。誰一人曲がる事のない旧道。明らかな不審車両であるヘナリワンは迷う事なく加茂坂を上り詰める。その先には夢にまで見た加茂隧道の

加茂隧道

www.henari1.jp ORRの道路調査報告書

姿があるはず。もう何年も使われてはいないであろう廃屋の先にそれはあった。結果的には夢で見た状態とは明らかに異なり、加茂隧道は未処理のままであったが、どうにも覆らぬお上の判断に苛立ちを隠せないのは人間様だけであって、加茂隧道自身は遅かれ早かれその日が来る事を予め知っていたような面持ちで、その場にしゃがみこみわめく訳でも泣き叫ぶ訳でもない。どのような

加茂隧道

ヘナリワンドットジェイピー ORRの道路調査報告書

施しを持ってしてもそれを甘んじて受けようと、ただただ来るべく時をじっと待っているようであった。万事休すの加茂隧道にこちらも腹は決まった。何としてもヘナリワンを通し、それによって成仏してもらおうじゃないか。だがそれに待ったをかける二重ゲートの存在が心拍数を加速させた。果たしてすり抜けは可能なのか?震える手でゲートを持ち上げると、そいつはあっけなく動いた。よっしゃ!

加茂隧道

おはようからおやすみまでORRの道路調査報告書

まさに滑り込みセーフとはこの事だ。ヘナリワンのデュアルライトが光を失った坑内の様子を照らし出す。僕は慌しくシャッターを切る。そこで何してる!なんて声が坑内に響いたら、恐らく鉄門海上人よろしく僕はその場で即身仏と化していただろう。だが誰の目にも触れる事なく出口は目前に迫った。

加茂隧道3続く

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