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www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜ツーリングマップルで訪ねる万の峠と億の道〜

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トップ>酷道データバンク>甲信越>新潟>海老牛峠/県道427号五十子平真田線(かいろううしとうげ)の実走調査レポート

海老牛峠()

★★

海老牛峠3-1

◆海老牛峠3−1:海老集落内へと滑り込む

130度近い急角度で左へ舵を切る峠より勾配のきつい路を滑り降りると、間もなく右手より砂利道の 林道海老東山線 がぶつかってくる。路面には無数の轍跡が刻まれるが、人の気配は感じられない。地形図ではその分岐点を海抜390mとしている。

更に坂道を駆け下りると、青看の掲げられる舗装路同士のまともな分岐に出る。その眼下には複数の屋根が散見され、名ヶ山地区以来絶えて久しい人の温もりが感じられた。こんな僻地に集落があるとは驚きだ。狭い土地に身を寄せ合う僅か30戸ほどの人家、その集落を 海老 という。

海老牛峠3-2

◆海老牛峠3−2:久しく見るデリネーター

あの黒塗りのセダンの出所は間違いなくここだろう。確認した訳ではないが、恐らく直進は東山へ抜けている町道だ。特に指示は無かったが、線形から察するに右へ下る道が県道と見て、僕は迷わず右へ舵を切った。

一応これがメインストリートとなるのだろうか?集落内へ割って入るこの道の傍らには、突如思い出したかのようにデリネーターが現れ、この道が県道である事を示唆しているが、悲しいかなこの集落には雑貨屋のひとつも存在せず、何だか平家落人が逃げ延びた隠れ里のような雰囲気を醸し出している。

海老牛峠3-3

◆海老牛峠3−3:集落の外れで古老と会話を交わす

十日町市街地から山ひとつ隔てただけの身近な秘境といった感じの意外性に富む海老集落。そこはゴーストタウンの如し静まり返っており、住民と接触する事は無いだろうと決め付けていたが、集落の外れで農作業に従事する爺さんを発見し、これはチャンスとばかりに県道について話を聞いてみた。

単車なら行けるよ

ちょっと日本語おかしくないかい?いや別に爺さんが帰国子女でカタコトとかいう訳ではなく、単車なら行けるよの“なら”が気になってね。なら・単車なら・・・ならってどゆこと?

海老牛峠3-4

◆海老牛峠3−4:最狭県道の核心部に到達

醤油こと!

それは帰国子女の爺さんと会話を交わした地点から数秒も経たぬ間に忽然と現れた。一体全体何なんだこの異常な狭さは?いや、単に狭い道なら世の中に五万とある。だがここは曲りなりにも県道だ。その証拠にデリネーターがピカっているではないか。百歩譲って単なる狭い県道としよう。んで何でただでさえ糞狭いのに斜面から巨木が突き出てる訳?

海老牛峠3-5

◆海老牛峠3−5:車幅制限に加え車高制限まである

正面から見ればますます異様なその光景に、僕は何かの冗談か悪い夢でも見ているのかと思った。だがこれは本気も本気、新潟県がお墨付きを与えた歴とした県道なんである。どうにかこうにか道幅は2mを維持しているように見えるが、ちょっと山田く〜ん座布団、じゃなくて30cm定規持ってきて〜!

パッと見の路肩は酷く脆弱に映り、とても身を任せる気になれない。軽自動車と単車との離合もままならない狭さで擦れ違いともなれば両者共に必死だ。単車をL字溝に落して、対向車に路肩すれすれを進んでもらうべく、いつでも竹内力並みのメンチが切れるよう日頃から目力は鍛えておくべきであろう。

海老牛峠3-6

◆海老牛峠3−6:道中離合箇所はあるが大方は狭路

竹内力養成ギブスでな

まあ兎に角凄いの何のって、道幅が極度に狭い上に車高制限まであるなんておくびにも出さない県道の実態は、ルーフボックスを装着したワゴン車が強引に突っ込んだ場合、気が付けばいつの間にか空気抵抗が無くなり、県道通過後は燃費が良くなりましたみたいな、フルオートダウンサイジング機能を盛り込んだ新感覚の県道はもすかして

行政サービスの一環ってか?

海老牛峠3-1

◆海老牛峠3−7:県道沿いには農地が点在する

デリネーターが無ければどこの山村にもある農道に等しい規格の県道は、ほぼ高低差無く山肌を丁寧になぞり横這いに進む。その見通しは悪く、カーブミラーさえ設置されぬ県道にあるまじき劣悪な環境にある。また離合箇所もほとんど望めず、敷かれて間もないアスファルト舗装が浮いたような格好だ。

道路脇には時折田畑がひょっこりと顔を覗かせ、そこに耕作の形跡が見られる事から、今でも海老集落の者がこの県道を軽トラやトラクターで行き来しているのだろう。

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