www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜道路格闘家へなりと闘う鉄馬ヘナリワンの軌跡〜

ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を管理人が実走調査したレビュー

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トップ>酷道電撃ネットワーク>南近畿>奈良>暗峠>国道308号線暗峠(くらがりとうげ)の実走調査レポート

暗峠(2

★★★★★

暗峠国道308号線2-1byORR

◆暗峠2−1:離合不能の狭路が続く

狭隘且つ激坂の難路を上り詰めると、生駒連山の尾根伝いを縦走し県界の南北を結ぶ信貴生駒スカイラインが現れ、ボックスカルバートを抜けると久しく見る平坦路に着地する。見れば足元が石畳となっている。そこがターゲットの暗峠だ。

鞍部の石畳はどう見ても復元のようだが、営業中の茶屋と合わせ街道筋ならではの抜群の雰囲気を演出している。古くは奈良大阪街道と呼ばれ、奈良と大阪の中心部を最短経路で結ぶこの道筋は陸上交通の要所であったようだ。

ただ、阪奈道路に第二阪奈と複数の迂回路が存在する現在では、生駒の尾根を直登する意義はほとんど感じられない。

暗峠国道308号線2-2byORR

◆暗峠2−2:二車線幅の市道に負ける一車線の国道

暗峠を行き交う車両は稀で、大方のドライバーに敬遠されている現実をもってすれば、国道指定は有名無実と言われても致し方ない面はあるが、国道の常識を激しく逸脱する特異性に反応する者や、街道筋を踏襲する国道をなぞる者、そして大阪と奈良の市街地を一望のものとする夜景を求めて夜な夜な現れる若者など、昼夜を問わず暗峠は一定数を集客する。

 但し奈良側の急斜面を御覧頂いてお分かりのように、二輪と四輪の離合が困難な箇所がそこかしこにあり、オマケに激坂ときているから暗峠への到達は容易でない。では一体全体暗峠はどの程度の激坂なのだろうか?

暗峠国道308号線2-3byORR

◆暗峠2−3:ジェットコースター並みの恐怖感を伴うS字

水平1mに対し1cm上昇する事を勾配率1%と言う。手元に定規を用意して欲しい。まずは誰もが知っているであろう箱根駅伝に使われる国道1号線の箱根峠で検証してみよう。

宮ノ下から箱根峠へ至る平均勾配は僅かに3%だ。これはアップダウンを含む数値であり、“5区を制する者は箱根を制する”とまで言われるランナーにとって心臓破りの区間である5区の瞬間最大勾配率は13%である。対し、暗峠の勾配は聞いて驚くなかれ。なんと平均勾配率20%、瞬間最大勾配率37%にも達するのだ!

平均勾配率20%

暗峠国道308号線2-4byORR

◆暗峠2−4:路面に刻まれた無数の生々しいブレーキ痕

瞬間最大勾配率37%

見てくれ、このS字カーブを!普通は直登の急勾配を緩和させる目的で線形をジグザグにし、距離損と引き換えに緩勾配を実現させるのだが、暗坂は九十九俺にしても尚驚異的な激坂で、狭いエリアでの九十九俺は効果がほとんど得られていないのが実情である。

この界隈でキャッチボールでもした日にゃ大変だ。絶対にミスは許されない。何故ならば取りこぼしたボールは、ほとんど下界までノンストップで駆け抜け、一度拾いに行ったが最後引き返す気力は失せ、二度と戻っては来られないからだ。

暗峠国道308号線2-5byORR

◆暗峠2−5:S字激坂に続き直線も当然激坂

激坂に激狭の二冠を奪取する暗峠であるが、生活道路につきそこそこの交通量があり、日中は地元車両に紛れて商用車が適度な間隔で行き来している。その中に迷い込んできたかのような車両は皆無だ。

いくら日本の道百選に選定されているからと言って、誰でも気軽に入って来られるような道ではない事は、十分御理解頂けたものと思うし、バナナの皮が一枚落ちていたが為に、ハンドルを取られ制御不能となった車両が、道路を塞ぎ即封鎖となってしまうような脆弱な国道に、般ピーが安易に近付いた場合下手すると心身共に火傷を負う事になる。

暗峠国道308号線2-6byORR

◆暗峠2−6:激坂区を抜けても相変わらず狭路は続く

ただ暗峠は自転車で越えると面白いかも知れない。変速機付のチャリならこの激坂を制する事は可能だろう。だが男なら黙ってママチャリで挑むべきだ。ママチャリによる無着地で暗峠を制したら、未来の競輪選手として通用するかも知れない。

世界自転車スプリントプロ選手権で、前人未到の10連覇を達成した世界の中野浩一選手に、是非変速機なしのママチャリで、足を一歩もつかずに暗峠を越えるツールドクラガリに挑戦して頂きたいと思う。

だがやはりプロに対しママチャリは失礼にあたる。ここはひとつ三輪車を用意させて頂きます。

暗峠国道308号線2-7byORR

◆暗峠2−7:市街地の外れでようやく落ち着きを取り戻す

想像して欲しい。暗坂の下りで、鬼のような形相で三輪車のペダルを漕ぐ中野浩一選手。*背中には安全装置として天使のはね(赤)着用。念の為縦笛を挿す二重安全装置付。

最大勾配箇所でスピードもMAXに達し、目にも留まらぬ速さで両足が回転すると、高速から音速そして人類未踏の光速の域へ達し、最後は中野浩一選手の下半身が消えるという現象に至るのではないかと僕は睨んでいる。

世界の中野浩一選手、超光速回転時に消える魔球ならぬ奥儀“消える下半身”を、暗峠で我々に見せつけて下さい。

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