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www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜ツーリングマップルで訪ねる万の峠と億の道〜

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トップ>旧道データバンク>甲信越>山梨>右左口峠/県道113号甲府精進湖線(うばぐちとうげ)の実走調査レポート

右左口峠(3

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右左口峠3-1

◆右左口峠3−1:サミットの直前にゲート

あの〜ちょっと宜しいですか?今でも峠は越えられるのでしょうか?

僕の投げ掛けた問いに対し、お巡りさんは即答で返した。

危ねぇ、やめとけ!

思わずズッコケそうになった。散々しゃべっておいてそれかい!右左口峠の魅力について延々と語っておきながら、峠へは行かない方が良いと言う。僕はそのお巡りさんを業務妨害で現行犯逮捕し甲府南署へと連行しようかと本気で思った。

右左口峠3-2

◆右左口峠3−2:現役県道を彷彿とさせる白看

お巡りさんの忠告など当然右から左である。例えゲートが閉じていようとも行ける所まで行くつもりでいた。ただこの日はあっさりと通行を許され、大手を振っての登坂である。

峠に至るまでの間には随所に補修箇所が見られ、県道の脆さがものの見事に露呈している。ガードレールも充分過ぎるほど張り巡らされ、法面も全体的にかなり広範囲に渡り補強されており、今後も当路線をそう簡単に放棄しない事を窺わせる。お巡りさんに捕まって一時はどうなる事かと思ったし、ゲート開放の有無も気掛かりではあったが、待ちに待った右左口峠が今ようやく目前に迫り、ひとつ目のゴールテープを切った。

右左口峠3-3

◆右左口峠3−3:右左口峠観測局

毎年雪解け後の整備による通行止は当たり前で、その他台風を含む自然災害でもすぐに通行止となってしまうような脆弱な路線が、この日はあっさりと珍客を招き入れた。サミットの直前まで打ち立てられた県道の証であるポールに導かれ、見覚えのある峠の簡易ゲートをすり抜ける。その実幅は2車線で、超広角の切り通しは今も昔も変わらぬ姿でそこにあった。

鞍部を跨ぐと広場のような広大な更地が待ち構えている。キャンプも充分可能なスペースではあるが、トイレや水といった諸設備は皆無である。

右左口峠3-4

◆右左口峠3−4:木陰に隠れる町界標識

とは言っても2リッターのペットボトルに詰めた水でほとんどの用は事足りるし、一泊程度なら何の問題も無いと思われるが、照明等も無くやはり一人では寂しさが募る。二輪四輪を問わず右左口峠で一夜を明かした輩は相当数の上ると思われるが、峠からの眺めは抜群で、仲間と一杯やりながらのテント泊であれば実に楽しい一時が過ごせるように思う。

白昼の峠は意外と賑やかで、町界を示す白看だの警戒標識だの中道往還の案内板などが所狭しと設置され、中でも一番目立つのが右左口峠観測局である。

右左口峠3-5

◆右左口峠3−5:キャンプができそうな峠の広場

勿論目的はコリン星からの電波をキャッチするためのものであり、気象観測はあくまで建前上の文句に過ぎない。

サミットより正面を見据えれば遠くに壁のように立ちはだかる山並みが映る。あれが富士五湖と甲府盆地を隔てる富士の外輪山で、標高1500m超の巨大な壁が御坂峠辺りから延々と連なり、長らく道を途絶させる元凶となっていた。徒歩道として幾つかのルートは付けられてきたが、いまだにあの屋根を乗り越える車道は、御坂峠をおいて他にない。

右左口峠3-6

◆右左口峠3−6:落ち着いた雰囲気の上九一色村側

ここ右左口峠もそうだが、トンネルの開通によって初めて南北のまともな交流が成されたと言っても過言ではない。人畜のみが有効の街道筋に代わって開削された新設路線の意気込みは、車道幅によく表れている。要請を受けた自衛隊も峠を挟んだ南北の統一を果たす為、相当な気合を入れて切り拓いた事は想像に難くない。

サミットは複数の大型車が休憩しても尚お釣りが来るほどの広さを誇り、雄大な景色を見つつここで一服した人も数多いたものと想像される。かつてはこの砂利道を観光バスもトラックもえっちらこっちら越していったのだ。

右左口峠3-7

◆右左口峠3−7:極上のフラットダート

何故そう言えるのか?それは僕がまだ道路の奥深さに目覚める前、この道路が現役の時分に、実際にそのような状況を目の当たりにしたからだ。現役とは一体どういう意味なのか?この峠道は今も昔も現役バリバリの県道である。だが実は県道以上に華やかで一線で活躍する黄金時代をこの道は経験している。この山道がかつて手にした肩書、それが国道である。

国道358号線

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