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金花湯死闘篇(13

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金花湯13-1

◆金花湯13−1

ポイントオブノーリターン、航空用語で帰還不能地点と呼ばれる魔の領域に、我々は片足を突っ込んでいた。ガス的にも時間的にも、そして時期的にもタイムリミットはすぐ目の前まで迫り、この日のうちにターゲットを仕留めぬ限り、二人揃って金花湯を拝める可能性は限りなくゼロに等しい。

宇宙警備隊としてコリン星への派遣が既に閣議決定されているさらば〜地球よ〜テテテ・テー状態のカモイと、オフロードバイクで地を這い回る大陸間弾道ウザイルの僕が、北の地で相見える事は恐らく無いであろう。

金花湯13-2

◆金花湯13−2:カモイワン重大事故発生地点

それにアメリカンバイクという大きなハンデを背負いながらも、ここまで二人三脚で苦難を乗り越えてきたのだし、この後道外に旅立つカモイを是が非でも成就させねばなるまい。その一心で僕は血眼になって温泉臭を嗅ぎ分けた。そのような切羽詰まった状況下で、予期せぬ事態が発生する。

先行していたカモイワンが道のど真ん中で立往生しているではないか。しかもカモイは、何やら後輪辺りの様子をしきりに窺っている。パンクか!どったの?覗き見るとチェーンの張りを調整するアジャスターを支えるパーツ(鉄板)が粉砕し、道路一面に破片が飛び散っているではないか!

金花湯13-3

◆金花湯13−3:代用品を求めて硬質な倒木を探し回る

長距離砂利道走行という想定外の行動に、カモイワンに圧し掛かる高負荷がここに来て遂に限界を迎え、芸術は爆発だ!ばりに大爆発を起こしたのだ。こげな場所で想像したくもない光景だが、つい先程までピンピンに張り詰めていたチェーンは見るも無残にだらしなく垂れ下がり、一部は地面に接していた。

全くトンデモナイ事になってしまった。バイクはガソリンさえ入れておけば動くっしょ、という風に近所のおばちゃんと寸分も違わぬ無知蒙昧な我々は、ただただ目の前の超常現象に唖然とするばかりであった。

金花湯13-4

◆金花湯13−4:ここでの復旧作業は2時間に及ぶ

予備パーツなど持ち合わせてはいないし、鉄の板が真っ二つに割れているならまだしも粉砕という最悪の事態で、この場での復旧など当然有り得なかった。チェーンが張れなければバイクは微動だにしない、つまり前進はおろかこのままだと帰る事さえままならないのである。だが焦ってはいけない、鉄の板の代用を探せばいいのだ。

ヘナリワンのパーツやカモイワンのあらゆる装備をひっくり返したが適当な代用品は見付からず、駄目もとでトライしてみようと思い付いたのが倒木だった。持参したノコギリで足下に転がっている腐りかけの倒木を、その場で加工して宛がってみた。するとどうだ、なんとカモイワンが動いたではないか!

金花湯13-5

◆金花湯13−5:進入車両に注意を促すピンクテープ

一時は巨大な鉄のゴミと化したカモイワンが突貫で拵えた木製の代用部品で見事に甦ったのである。

カモイワン復活!

ただ全幅の信頼は置けない。我々は2時間近くを要し完璧とは言い難い代用品を、何度も何度も何度も何度もトライ&エラーを繰り返しながら、納得のゆく状態に仕上げた。ピンチを克服した我々は、前進を躊躇う事なく突き進む。そして遂に道が途絶えた。

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