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金花湯死闘篇(14

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金花湯14-1

◆金花湯14−1:道路決壊につき通行止

ここまで人工物が皆無に等しい中、何の前触れもなく突如現れたピンクテープ。両側の太木にぐるりと巻かれ、道路を塞ぐようにして渡された一本のテープが意味するもの、それは林道では日常的に目にする災害等による通行止措置であった。

テープの2m先では道床がごっそりと削ぎ取られ、代わって現れた巨大な空間がぽっかりと口を開けていた。テープが無ければ勢いに任せて二度と這い上がれそうにない深淵にダイブしていたかも知れない。我々は営林署の措置に感謝すると共に、当路線が廃道でない事を知り、とりあえず安堵した。テープを跨ぎ被害状況を確認する。

金花湯14-2

◆金花湯14−2:完全に道が無い

パックリと割れてるやんけ〜!

だみだこりゃ!

決壊箇所は幅5m深さ5mの範囲が完全に消え去り、道床からごっそりと持って行かれてしまっている。対岸から拝めば一目瞭然で、法面側に首の皮一枚で僅かに人一人分の通路が残されているに過ぎず、これ以上の前進は不可能に近い。オフロードバイクであれば強引に突き進む事は出来るが、アメリカンバイクではこうなると四輪同様手も足も出ない。

金花湯14-3

◆金花湯14−3:通行車両が絶えて久しい路の続き

僕だけが強引に割って入り単独で様子を見に行くという手もあったが、ここでの足止めを機に、僕等の置かれた状況を今一度冷静に精査してみる事にした。

僕等に残された探索時間は極めて少ない。晩秋の日の短さに加え、復路の時間を考慮すれば日没までの時間は極僅かで、一分一秒を争う正念場と言っても過言ではない。この道は事実上の行き止まりで、路はまだしばらく奥へ続いているが、決壊箇所より奥の往来は絶えて久しく、どこまで続いているのか、またどこまで進入可能なのかも定かでない。

金花湯14-4

◆金花湯14−4:廃道に等しい悪路

仮にこの先に温泉が待つにしても、5km10kmと歩かされた場合、温泉の発見すらままならず、例え発見に至ったとしても、心置きなく秘湯を堪能するという訳にはゆくまい。それに鈴ひとつ持ち合せていない我々が、ヒグマの巣窟に徒歩で進入するのは余りにも危険だ。やはり鉄馬の帯同無しでの踏査はリスクが大き過ぎる。

それにカモイワンが復活したとはいえ、依然として後輪に爆弾を抱えている事から、これ以上無駄に動き回る事は避けたい。バカ殿岩を右へ進む砂利道にも未練はあるが、巨大迷路からの脱出さえ叶えば御の字である我々は、最早目の前の廃道を突き進む以外に選択肢は無いとの結論に至った。

金花湯14-5

◆金花湯14−5:路の先は川で終点を迎える

リュックに食料や風呂道具一式を詰め込むと、徒歩によるアタックを決行した。決壊箇所より先の路は谷底へ下る一方で、我々の足取りはすこぶる軽かったが、復路を考えると甚だ気が滅入るし、目標地点の定まらぬ当てのない前進は、ほとほと気の遠くなる思いであった。

どれくらい歩いただろうか。耳を澄ませば、川のせせらぎが木々の隙間を通して耳に漏れ届く。それはBGMからノイズへと変わり、遂に我々の前に激流が立ちはだかった。

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