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金花湯死闘篇(16

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金花湯16-1

◆金花湯16−1:岩塊の隅にある湯溜り

先行するカモイに追いつくと、彼を軸とする半径10mの範囲のみ草木がほとんど生えておらず、藪に代わって地肌が丸出しになっている。しかも足元はコンクリートのように硬く、アイスバーンにも似た真っ白な地面から、足元が超巨大な石灰岩の塊であると気付くのに、それほど時間は掛からなかった。

これぞまさに緑一色の森の中に浮かぶ不毛の大地であり、生気が全く感じられないこの世のものとは思えぬ様は、秋田の川原毛地獄や青森の恐山で目にする光景と瓜二つだ。躍動感溢れる地球から溢れ出てきた汗は、気の遠くなるような長い時間をかけ、ここに見事なまでの石灰層を形勢した。

金花湯16-2

◆金花湯16−2:一度に大人4名を収容する大浴場

大地を割る一筋の窪みを伝い、透明感のある乳白色の液体がちょろちょろと流れている。その行く先には受け皿となる深々とした窪みが待ち構え、その杯には上流から零れ落ちた大地の泉がなみなみと湛えられていた。

これが夢にまで見た金花湯なるものなのか?だが温かさを証明するはずの湯気が立ち込めていない。一口に温泉といっても人肌程度の微温湯もあれば、水のように冷たい鉱泉など種類は様々である。晩秋のこの時期に沸かさねば入れないような温泉では入浴など非現実的であるし、それらしきものを発見しましたでは目標を達成したとは言い難い。

金花湯16-3

◆金花湯16−3:家庭用サイズの湯溜りが二つ並ぶ

無臭ではないので、この液体に何等かの成分が混入しているのは間違いないなく、定義上は確かに温泉なのだろう。ただ我々は成分分析などどうでもよく、問題は今この瞬間に入浴可能か否か、その一点に尽きると言っていい。

撮影や能書きはこれくらいにして、そろそろ肝心の湯温を調べねばならない。何せ我々には時間が無いのだ。パッと見は水のように見えても、実はトンデモナイ熱湯である可能性も否定できない。僕は恐る恐る湯溜りへ手を伸ばし、湯膜に触れる程度で指先だけをサッと潜らせてみた。あったけんじゃねこれ?丁度いんじゃね?これ金花湯じゃね?

金花湯16-4

◆金花湯16−4:産湯サイズの小湯溜り

金花湯とったど〜!!!

遂に我々は数々の困難を乗り越え、幻の金花湯へと辿り着いた。この湯溜りを発見した時点で、金花湯という確たる証拠は何一つ無い。ただ我々の目的は、道の駅よってけ島牧より30km以上深山へ分け入った奥地に存在するという幻の温泉に入浴する事で、目的地の適合エリア内で適温の温泉を発見し実際に入浴した、それで我々の目的は達成されたのだ。これが金花湯か否か、また成分分析等は正直どうでもいいのである。

島牧の奥地に秘湯は確かに実在した

金花湯16-5

◆金花湯16−5:崖っぷちすれすれの一人用サイズ

湯溜りが適温と知った我々は、撮影もそこそこに服を脱ぎ捨て我先にと浴槽内に飛び込んだ。

あったけ〜♨!

この温泉がどれほど有用であるかは我々には見当も付かない。ただツーリングマップル片手に手探りでここに到り、今こうして適温の湯に浸かっているという喜びは何ものにも代え難く、この貴重な経験が我々の財産になった事だけは確かだ。

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