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金花湯死闘篇(17

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金花湯17-1

◆金花湯17−1:茂みの奥からこんこんと流れ出る源泉

一度に大人四人を収容する当温泉のシンボル的存在の大浴場、それは禿山と化す石灰岩の端に位置し、一見天然の浴槽のようにも感じられるが、体育座りをして頭部だけが出る丁度良い深さはどう見ても出来過ぎで、人為的な掘削を匂わせる。他の浴槽も同様で、一人用の湯船を意図的に拵えたと考えるのが自然だ。

浴槽となる湯船は複数あるが、実際の使用に耐え得るのは最大級の浴槽のみと言っていい。というのも背後の草藪より導かれる源泉のほとんどが大浴場に注がれ、段状で分散する引き湯の大半は浴槽手前で冷却され過ぎてしまうのである。

金花湯17-2

◆金花湯17−2:湯の花満開の大浴場

草藪に潜む源泉の温度は、素手で直に触れるのはちと危険な高温で、大浴場に引き込まれる過程で外気に触れた湯が、適温に冷却され湯船に零れ落ちるというなかなか良く考えられたシステムが構築されており、金花湯は沢水で薄めない純度100%源泉掛け流しのホンモノの温泉である事が判明した。

沢水で加水せぬ源泉掛け流し

思えば道の駅よってけ島牧から実に30km超の途方も無い秘奥で、幻とされる金花湯を捉え念願の入浴まで果たせた事は、幸運という他ない。

金花湯17-3

◆金花湯17−3:少々危険な崖っぷちの一人用

分岐に次ぐ分岐の巨大迷路を彷徨い右往左往した上、バイクの故障というアクシデントに見舞われ、ただでさえ限られた時間が刻々と過ぎ行く中、最後の最後でバカ殿岩を左折の道一本に的を絞った事で、我々はチャンスをものにした。

だがここでの油断は禁物だ。一人用の浴槽は絶壁上すれすれに築かれ、落ちたら五体満足ではまず助からない。服を着たまま滑落するならまだしも、もし入浴中に足を滑らせフルチンのまま落ちてしまったら ピースケキャンタマリア となって天国へ召される事は間違いない。恐る恐る一人用の湯船に身を沈めた我々は、突如現れた神秘的な光景に息を呑む。

金花湯17-4

◆金花湯17−4:温泉名の由来となった瞬間に立ち会う

見てくれ、この目に映るもののほぼ全てが黄金色に輝く光景を。薄雲が途切れ、辺り一面に夕陽が射し込めたほんの一瞬の出来事であったが、我々はその好機を見逃さなかった。

紅葉直前で全体が満遍なく黄色く染まる木々の乱反射で、つい先程まで真っ白であった石灰岩の表面に加え、湯溜りに堆積した湯の花までもが、黄金色に一変しているではないか!恐らく最初にこの野湯を発見した人物も我々と同じ光景を目の当たりにしたに違いない。紅葉前の夕陽に照らされるほんの僅かな時間にのみ現れる湯の花さえ黄金色に染める絶景。ここに先鞭を付けた者は、迷わず 金花湯 と命名した。

金花湯17-5

◆金花湯17−5:至福のひとときを堪能するカモイ

さあゆっくりと羽を休めるがいい。カモイよ、ここまでよく頑張った。幾多の難関を乗り越え、ここに轍を刻んだ者の中では、恐らく過去最低最強だろう。道内でも屈指の秘湯とされる金花湯を、アメリカンバイクで攻略するという空前絶後の蛮行偉業を成し遂げた今、無事に帰り着く事だけを考え、しばし鋭気を養うがいい。

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