ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

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相賀隧道(3)

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相賀隧道の取扱説明書

これまで次々とお宝隧道を掘り起こしてきた当路線もいよいよ大詰めを迎える。町道に格下げされ今でも車道として生き残った物、歩道として第二の人生を歩む物、放置されて日々その凄みを増して行く物、それぞれどの物件にも味があり、そこには人生の縮図に似た隧道ドラマがあった。相賀隧道は今の今まで再利用される事は無かったが、この物件が歴史の証人として、今後もそこにあり続ける事を、願わずにはいられない。

 

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これだ!我々が求めていたのはこれなんだ。当路線に連発するお宝隧道のどれもが、何か物足りなさを感じていた。いくらレンガ隧道とは言え、妙に落ち着いていて、どれも皆小奇麗であった。それは廃隧道でも同じだった。しかし相賀隧道だけは違った。ここにはリアリティがあった。ガタボロダートとレンガ、この組み合わせが必要だったのだ。これが当時の本当の姿なのだ。当路線に

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今日我々が目にする事の出来る物件や通り抜け可能な物件は全て何等かの形で装飾され薄化粧を施された云わば復刻版であり、煌々と照明によって照らし出された内部の様子からは確かに当時の雰囲気が伝わって来てはいた。しかしそこに路線バスが通っていましたと言われても、何故かピンと来なかった。それはどの隧道も路面がアスファルトもしくはコンクリが打ち込まれ、もしも

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今そこにバスを走らせたならば、あっけないほどスピーディーに抜けてしまうだろう。そうじゃない。当時はもっとゆっくりと慎重に抜けていったはずなのだ。何故なら当時全ての隧道は路面がダートだったからだ。狭い隧道で凹凸のある路面にタイヤを取られながらも、当時はパワー勝負の重ステアリングだ。車体を壁面に擦らぬよう運転手は細心の注意を払ったはず。時には水溜りなんかも

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あって、車体を大きく揺らしながらそれを避けていったに違いない。何故僕が乗った事もない路線バスの様子を詳細に語れるのか?それは北海道の知床にある道道93知床公園線を走る路線バスに乗車した事があるからなのだ。それもかれこれ20年近くも前の話だ。やっとチンカスも取れ半剥けまで成長していたへなり少年は、なけなしのバイト代をはたいて大勝負に出た。諭吉数枚を

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握り締め上野から夜行列車に飛び乗ったのだ。まだ青函トンネルなんて無い時代だから、青函連絡船を乗り継いで札幌へ、そして再び夜行列車に揺られ網走へ着いたのは翌朝であった。そこから鈍行に乗換え斜里へ向かう。斜里から宇登呂までのバスはまだ良かった。本数も多いし快適な2車線路だった。しかし宇登呂から乗り換えたバスは凄まじかった。なんとこの路線バスは

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砂利道を爆走するのだ。アスファルトジャンゴーで育った僕等にとってまさにそれはディープインパクト。まるでジェットコースターに乗ったような気分であった。あの大型バスが飛び跳ねるのだ。シーズン中の満席状態ならそんな芸当も出来なかっただろうが、その時の乗客は僕等だけで、運ちゃんは回送車の如く砂利道をかっ飛ばした。危うくコマセを撒き散らす所だったが、何とか堪えて

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目的地のカムイワッカへと辿り着いた。当時は乗務員さんも乗り合わせていたが、今はワンマンかも知れない。旧道にバスが走って頃の状態を体験出来る大変貴重な路線である。が、良からぬ噂を耳にした。知床の世界遺産登録に伴い、道道93が舗装化されるかも知れないのだ。

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