www.henari1.jp ORRの道路調査報告書 ODA ROAD RESEARCH

〜道路格闘家へなりと闘う鉄馬ヘナリワンの軌跡〜

ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を管理人が実走調査したレビュー

トップ 廃道 隧道 酷道 旧道 林道 更新履歴 ボンバス 地図 楽天 アマゾン ビストロ 掲示板 サイトナビ お問い合わせ

トップ>酷道電撃ネットワーク>山陽>岡山>荒坂峠(あらさかとうげ)の実走調査レポート

荒坂峠(2)

★★★★★

荒坂峠(県道68号津山加茂線)の取扱説明書

世の中にはいまだに全通という夢が叶わぬ未開通県道が数多く存在する。完全にプッツンしているものもあれば、微妙に点線で繋がっているものもある。ここ荒坂峠は未開通とされながらも、市販の地図上では点線表記されていて、もしかしたら通り抜け出来るかもと期待させるには充分な短区間である。そこにT3F氏から詳細な情報が寄せられ、単車での到達は可能との情報を頂き、早速現地へと赴く事となった。そこで目にしたのは、この世のものとは思えないほどの、おぞましい激坂であった。

荒坂峠2-1byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

この画像は、現場で僕が目に映ったまんまの状況を、読者に対しきちんと正確に伝える事が出来ているだろうか?現場を熟知する者ならば、きっと頷いてくれるはずだ。この尋常でない傾斜の逝かれ具合を。

いったいこの勾配をどう表現すれば良いのだろうか。ボックスをたった1つしか積載していないヘナリワンが何とか路面に踏み留まっていられるギリギリの状態なんである。

停車しているなんて生易しいものではない。単車が地面にへばりついていると言った方が正しい。

荒坂峠2-2byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

ギアを一速に落とし、地球の引力に何とか耐えつつも、ほんの少し風が吹くだけで、たちまち転げ落ちてしまうような状況下で、辛うじてサイドスタンド1本で立っていられる。そんな状態なのだ。

従って繰り返しとなるが、立っているというよりは、へばりついていると言った方が適切なのである。それも待避所が皆無に等しい上り途中で、唯一と言えるのが四輪同士の離合も危ういこの膨らみなんである。

軽自動車同士の離合がやっとの膨らみではあるが、これがあるのと無いのとでは気分的に全然違ってくる。

荒坂峠2-3byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

上り途中で対向車とはち合ったが最後、バックする方はどちらにしても地獄を見る事になるだろう。それを唯一回避するのが上り途中に一箇所だけ備わる待避所なのだが、それすらガードレールのひとつも無く、全く以て心許無い離合箇所なのだ。

この坂はヤバイ、マジでヤバイ。ヤバ過ぎる。この坂道を馬力の無い車両で登ったら恐らく大変な事になる。あまりの激坂にエンジンが悲鳴を上げ、もしも途中で止まりかけたとしたら、完全に止まりきってしまう前に乗り物から即座に飛び降りてしまわないと、恐らく生命の危機に関わる重大な事故に繋がる恐れがある。

荒坂峠2-4byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

雨後や冬期などは間違っても絶対にアタックしてはならないし、もしも現地へ行ったとしても、途中で止まろうなんて考えない方がいい。

無事に帰還する事が生きとし生ける者の大前提だから、もしもチャレンジするとしても一気に峠まで抜けてしまわないと、あなたの人生で最大勾配の坂道発進を経験する事になるだろう。それも失敗の許されないワンチャンスだ。

更に運悪く激坂の途中で対向車とはち合ってしまったら、半分あの世に片足を突っ込んでしまったようなものだ。

荒坂峠2-5byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

その時は年貢の納め時だと思って素直に他界しよう。出発前に家族は勿論の事、友人・知人・愛人にもしっかりと逝く場所を告げておこう。加え遺書も用意しておけば完璧だ。

まあ兎に角この県道は想像以上の凄まじい勾配で、実は画像に収めたのはほんの一部であり、それ以上の勾配を有する箇所があるにはあるのだが、単車を立てようとしてもどうしても重力に負け動き出してしまうという有様なんである。

激坂を克服すると、そこには稜線の一部を削り取っただけの荒い切り通しが待つ。それが荒坂峠だ。

荒坂峠2-6byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

激狭のコンクリ道となってから荒坂峠までの距離が短かったから良かったものの、これがもっと長く対向車でも現れた日には、いくら単車でも全く笑えない。

荒坂峠は噂に違わぬ激坂であり、市販の地図では点線扱いになっているのも当然で、僕がこれまでに経験した坂道の中でも、狭さといい、勾配といい、危険度といい、総合的に見ても全国でもトップクラスのデンジャラスな激坂である事が判明した。

荒坂峠2-7byORR

旅と道路と峠のバイブル=地図×ORRの道路調査報告書

比較対照としては、やはり奈良の暗峠と、和歌山の宇井峠の名が挙げられるが、この2強はワールドクラス、しかも国道という点で荒坂峠は一歩及ばない。しかし県道に限れば、荒坂峠が現時点で最強の呼び声高い事に異論の余地はない。

通行する我々も命懸けだが、ここを開削した工夫達も、相当な覚悟を持って開削に挑んだのではなかろうか。また砂利道時代は今以上に通行は厳しかったであろうし、またここにコンクリ舗装を施工した業者もよくやったものと思う。

荒坂峠(県道62号津山加茂線)3へ進む

荒坂峠(県道62号津山加茂線)1へ戻る

トップ 廃道 隧道 酷道 旧道 林道 更新履歴 ボンバス 地図 楽天 アマゾン ビストロ 掲示板 サイトナビ お問い合わせ