ORRの道路調査報告書:全国の廃道隧道酷道旧道林道を個人が実走調査したレビュー

トップ>隧道電撃ネットワーク>南東北>福島>非道隧道

非道隧道(2)

★★★

 

非道隧道の取扱説明書

もしも突然歴史上の人物を一人挙げよ3・2・1・Q!と問われたならば、僕なら間違いなくザビエルと即答するだろう。そう、フランシスコザビエル。教科書にも登場する世界的エロ河童キリスト教宣教師だ。彼の生まれ変わりがアルシンドであるという事実は、いずれオーラの泉で明らかとなるだろうが、前説はこれくらいにして、早速取説に入りたいと思う。もしも突然歴史上の人物を一人挙げよ3・2・1・Q!と百人アンケートを取った際、恐らく回答数ゼロは避けられないであろう人物、三島通庸。日本史の、それも近現代史に登場する彼の名を目にする機会は皆無に等しい。だがひとたび的を道路に絞れば、直ちに彼の名は大きく浮上する。はっきり言って三島通庸抜きに東北の道路、ひいては日本の道路史さえも語れまい。旧廃隧道を語る上で、彼の名を避けて通る事は非常に困難を伴うのである。ここに彼の残した軌跡の一部を列挙しよう。万世大路、大峠、関山峠、雄勝峠、主寝坂峠、宇津峠、加茂坂猿羽根峠山王峠。どうだろう?東北各地では石を投げれば三島に当たると言わんばかりではないか。僕は彼の名を知らぬままサイトを開設し、気が付けばいつの間にか彼の手の中で踊らされていた。道路の現状報告に徹し、あえて歴史とシンクロさせて来なかったORRの怠慢と言ってしまえばそれまでだが、今後は徐々に歴史的考察にもメスを入れていかねばなるまい。まずはその第一弾としてザビエル=河童説の是非を問う。(嘘)

 

非道隧道2-1/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ゲートはあっさりと不審車両の侵入を許した。もしもこのゲートに強固な施錠が成されていたならば、僕はすんなり諦めていただろう。だって土砂降りの中の砂利道、しかも単なる林道とかじゃなさそうだし、それにいつもの通り三段ボックスの重装備だし、わざわざ危険を冒してまでここを突き進む意味は無い。少なくともこの時点ではここがかつての国道であった事も、この先にトンデモナイ代物が

非道隧道2-2/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

隠されている事も、ましてやそれが三島関連の遺構である可能性が高い事さえ知らされていないのだ。雨は一向に止む事なく、むしろ大地を叩き付ける雨音は増幅の一途で、路面上で無数に発生した水溜りが徐々に繋がり始め、砂利道にとって最も苦手な三級河川が形成されようとしていた。始めは良かった。緑の絨毯を切り裂く四輪の轍跡は鮮明で、それはつい数日前にも車両が通行したかの

非道隧道2-3/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

ような生々しさであった。関係車両がこの先で路駐していても何等不思議ではない状況で、案の定その先で河川水位観測所のような建物が現れた。阿賀川に張り出すような形で設置されたその小屋が、車両の限界地点である事を理解するのに、それほど時間は掛からなかった。小屋前で急激に薄れた轍跡は、その先の幅広区間で狂ったように無数の轍を刻み込み、以降は完全に沈黙を

非道隧道2-4/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

守った。今では車両のターンテーブルとして機能するその場所も、かつての離合ポイントだったのかも知れない。幅員も状況も大きく変わらないが、小屋より先はびっしりと緑の絨毯が敷かれ、そこを汚す者は何等かの災いがもたらされよう。そんな呪いにも似た自然界からの警告か、或いは単なる嫌がらせなのか?巨大な倒木が路上を占拠し、四輪の通行を完全に遮断している。かろうじて単車は

非道隧道2-5/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

崖っぷちギリギリガールズで通過できるが、慎重に行かねば、バキ!ア〜レ〜・ドボンは免れない。30m近い落差と濁流ではまず助からないと思われ、僕は早くもこの時点で後悔し始めていた。それでも尚前進を試みたのは一時的に雨足が弱まり、それがもっと奥まで見たいという僕のスケベ心をくすぐり、ことごとく引き返すタイミングを逃した為だ。引き返す勇気も必要であるとは頭で分かっては

非道隧道2-6/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

いるのだが、いざ現場となると好奇心との葛藤で、大概スケベ心が上回ってしまい、この日も随分と無茶をしてしまった。観測所から幾許かも進まぬこの地点で、四輪はおろか単車でも初心者の進入を許さないデンジャラスポイントを迎えた。路盤ごとごっそりと持って行かれ、幅員の実に半分以上を消失している。それだけに留まらず、残された路面は湿地帯のような半マディ、更に山肌から覆い

非道隧道2-7/ORR

ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR

被さる樹木が、谷底へ突き落とさんばかりの勢いで立ちはだかっているのだ。僕は大いに悩んだ。果たしてここで命を懸ける必要があるのか?晴天続きの真っ只中ならまだしも、大雨洪水警報も発令中で、状況としては最悪だ。だが次の瞬間僕はそこを渡り切っていた。うぉ〜りゃ〜!

非道隧道3へ進む

非道隧道1へ戻る

トップサイトナビゲーター管理人について感想・お問い合わせ