トップ>隧道電撃ネットワーク>南東北>福島>非道隧道 |
|
非道隧道(4) ★★★ |
|
非道隧道の取扱説明書 もしも突然歴史上の人物を一人挙げよ3・2・1・Q!と問われたならば、僕なら間違いなくザビエルと即答するだろう。そう、フランシスコザビエル。教科書にも登場する
|
|
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR あの橋梁がもしも木橋だったとしたら、どれほどエキサイトした事だろう。だがあれは単なるコンクリの橋梁などではなく、この道を知る上で大変重要な意味を持っている事など、その時の僕は知る由もなかった。橋梁を渡ってすぐにそいつは現れた。視界前方に見えるは壁面の上部が思い切り迫り出したオーバーハング気味の、大袈裟に言ってしまえば片洞門のような奇壁。ドッヒャー!今にも |
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 崩れてきそうなそいつは、普通に見ても恐ろしい訳で、状況が状況なだけに恐怖心は通常の1.5割増しである。廃道内で長く停滞すればするほど危険度は確実に増してゆくのであり、僕は一刻も早くこの場から立ち去らねばと焦った。奇壁をまじまじと眺めている暇もなく、即座に回り込んだものの、そいつは弧を描くようにして続いているではないか。こ・怖え〜!画像に写り込んでいない握り |
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 拳大の石にヒットして、ハンドルがあらぬ方向を向くたびにドキッとし、心臓への負担はそろそろ限界に達しようとしていた。いつの間にか僕はそこに「死」を感じていたのだ。際限無くこの廃道は永久に続くのではないかという疑心暗鬼に駆られていた。このまま突き進めばいつか逝く。そんな予感がした。丁度その頃だった。いつになく平穏な路面が出現し、僕はそこで一呼吸置く事にした。前進か |
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR 或いは撤退か。僕はここで大いに悩んだ。そこで少しだけ徒歩にて前の様子を探ってみる事にした。それは余りにもあっけない結末であった。人為的かそれとも自然のものか、路上のほとんどを高さ50cmほど堆積した土砂が広範囲に埋め尽くし、壁面直下の30cm幅のみに本来の路面が見られるものの、そこは最早道ではなかった。各所で発生し路上に降り注いだ全ての雨水が、最後の砦 |
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR とも言えるその30cm枠に集積し、鉄砲水宜しくこちらに向かって溢るるように流るるように、それはまるで阿賀川の濁流のミニチュア版か、それとも堤防決壊かといった様相でこちらに迫り来る。30cm枠をすり抜けた濁流は、平坦な路面のほぼ全てを均等に包み込み、そこはさながら天然の田んぼであった。一歩踏み込めば瞬く間に膝までずっぽり埋まってしまう程の極悪な泥田だ。もうそこは |
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR ゴアテックスも濡れテックスも関係ない領域で、やけくそになった僕は何を血迷ったかヘナリワンに突撃開始命令を下す。それは完全な負け戦であった。竹槍でミグを落としに行くようなものである。案の定すぐに結果は出た。タイヤの半分以上が前後共に埋まってしまい、もうにっちもさっちも行かなくなってしまったのだ。その後はもう地獄絵巻のようであった。撤収!その決断は余りにも遅過ぎた。 |
|
ドライブ&ツーリングのネタ帳ORR まんまと泥地獄に嵌ったヘナリワンはお約束通り微動だにしなかった。むしろもがけばもがく程状況は悪化の一途を辿った。いよいよ事態は重大な局面を迎える。どうする?アイフル?(サラ金か!)JAFを呼ぼう。(救援か!)本気でそう思った。誰か〜助けて〜!その声は誰にも届かなかった。 非道隧道5へ進む 非道隧道3へ戻る |